MT1040Aを400GBASE-ZRに対応【アンリツ】
データセンタ/LAN 無料 アンリツは2月10日、ネットワークマスタ プロ MT1040Aが、DCI回線の低コスト化に貢献する光モジュールのインターフェース規格400GBASE-ZRに対応したと発表した。また、DCI拠点の負荷軽減を目的としてブレイクアウト方式の通信品質評価を実現する、MT1040Aソフトウェアオプション「イーサネット 4x100G N Port BERT」「イーサネット 2x200G N Port BERT」を開発したと発表した。2月10日から販売する。
同社は「これらの機能強化により、400GBASE-ZRを使用した回線への移行試験や、ブレイクアウトインターフェースの導入試験が可能となるため、データセンタの構築・拡張のコスト削減に貢献する」とコメントを出している。
対象市場:データセンタ事業者、通信事業者、通信ネットワーク工事会社、通信設備保守会社、通信機器ベンダ
用途:通信ネットワーク、データセンタの開通・保守・トラブルシューティング、通信装置の品質評価・検証
開発の背景
5Gサービス、テレワークやオンライン授業の急速な普及、社会的な要請であるDX推進等を要因として、データセンタの増設が急ピッチで進んでいる。データセンタは、電源・空調システムの制約上、建設後にデータ処理量を大幅に増加させることは困難であり、スケールアップのためには、拠点の追加・分散化が効果的な手段となる。このため、拠点同士を接続するDCI構築の需要が高っている。
DCIには通信キャリアが提供するWDM回線が広く使われてきたが、一般的に高価だった。そうした中、WDMシステムのオープン化が推進され、その成果である400GBASE-ZRトランシーバは、回線の低コスト化に貢献する。しかし、そのトレードオフとして品質担保の一部がDCI回線のユーザに移行し、ユーザ自身が通信品質の評価をする必要が生じる。
一方で、1拠点あたりの効率化も同時進行している。外部から引き込んだ高速回線を分配するために伝送装置を挟むが、分配先の低速レート側は、その分だけ多くの接続ポートがあるためスペースを取る。ブレイクアウトと呼ばれる方式のインターフェースはこの問題を解消する。
例えば400GBASE-XDR4規格では、従来4つの100Gのポートが必要だった装置のパネルに同じ面積の400Gのポートを一つだけ置き、ケーブルで100G×4本に分岐させるため4倍のスペース効率化となる。さらに100Gの1リンクあたりに使う光通信波長も4波から1波になり、レーザ光素子が減るため、消費電力も効率化される。この、データセンタで導入が進むブレイクアウト方式のインターフェースの導入には、トランシーバや装置の受入検査が必要となる。
アンリツは「データセンタの進化に伴う新技術が導入されていく中で、通信品質を評価するためのツールにも新しい測定ソリューションが求められているため、今回MT1040Aの機能拡充を行った」としている。