IIJが、エッジコンピューティング環境を体感できるショーケースを白井ワイヤレスキャンパスに開設
DX/IoT/AI 無料リアルタイム処理や5G低遅延通信のデモによりエッジコンピューティングの有用性を体感
IIJは2月2日、同社の白井ワイヤレスキャンパス(千葉県白井市)に、モバイル、クラウド、マイクロデータセンタ(MDC)などIIJの各種サービスを組み合わせたエッジコンピューティング環境を体感できるショーケースを新設し、3月15日よりユーザに公開すると発表した。
同社は「ショーケースでは、エッジコンピューティングの特徴の一つであるリアルタイム処理、5Gによる低遅延通信などをユースケースとして体験できる。デモや展示を通じて、お客様は、エッジコンピューティングの利用シーンや具体的な導入要件のイメージを掴んでいただくことができる」としている。
背景
近年、DXによりデジタルデータが増大するなかで、エッジコンピューティングは、低遅延やリアルタイム性、大量のデータ送受信、セキュリティリスクの低減などが求められるシステムでの利用が期待されている。今後、企業や行政のIT基盤は、利用用途やデータの特性に応じて、クラウドコンピューティングとエッジコンピューティングを組み合わせた複合的な利用が進んでいくと考えられる。
しかし、ユーザがエッジコンピューティングのメリットであるクラウドとの連携・実際のユースケースに直接触れて体験できる環境は少なく、検討が進まないのが現状だ。そこでIIJは、クラウド、ネットワーク、IoT、ローカル5G、MDCなどIIJの提供する高品質な各種サービスと組み合わせたエッジコンピューティングのデモ環境を構築し、その特徴や有効性を体感できるショーケースを開設する。
同社は「新たな利用形態となるエッジコンピューティングを取り巻く課題やニーズを汲み取りながら、お客様とIT基盤のあり方およびユースケースを共創していく」との考えを示している。
ショーケースでは、次のユースケースを体験できる予定であり、内容は順次拡張していくという。
エッジとクラウドでの映像解析比較 ~リアルタイム処理の有効性~
防犯のユースケースとしてDCの来訪者を検知するデモを紹介。
撮影した映像データを、DC内に設置したエッジ機器とクラウド上のIIJ IoTプラットフォームのそれぞれで解析を行い、解析結果を比較する。これにより、エッジ機器が、クラウドと比較してリアルタイムに来訪者を検知できることを体感できる。
このようなエッジコンピューティングのリアルタイム処理の有効性、またエッジコンピューティングとクラウドで分散処理をさせる仕組みを紹介する。
無線サービスの違いによるAGV(無人搬送車)の走行 ~低遅延制御の体験~
物品搬送の無人化のユースケースとして、AGVでの無人搬送デモを紹介。
ローカル5GとWi-Fiなど他の無線サービスとを比較しながら、エッジコンピューティングでAGVの走行制御を行い、クラウド上でデータの可視化および一元管理を行う分散処理のデモを見ることができる。
ローカル5Gとエッジコンピューティングを組み合わせることにより、高速、大容量、低遅延の通信を実現し、スムーズにAGVが走行できることを体験できる。
MDCの自動オペレーション ~遠隔地でも従来と同じ運用が可能~
遠隔地や通信環境が整っていない状況での自動オペレーション・監視のデモを紹介。
白井データセンターキャンパスを遠隔地と見立て、同施設内に設置しているMDCでラック内のLEDランプや温度などを監視し、異常検知後にMDC内で自動オペレーションを実施するデモを見ることができる。
通信環境が整っていない地域でも、MDCをエッジコンピューティング基盤として活用し、従来のDCやクラウドと同じ機能や品質で運用できることを体感できる。
IIJは「今後、エッジコンピューティングのプラットフォームとなるサービスやソリューションの開発も予定しておいる。これにより、お客様がエッジコンピューティングの導入や運用をより素早く、簡単に行えるよう支援し、IT基盤の進化を牽引していく」との方針を示している。