コベルコとNECが、建設機械の遠隔操作の普及に向けた技術開発協定を締結
DX/IoT/AI 無料 コベルコ建機NECは11月30日、建設現場のより働きやすい作業環境の実現に向けて、現場作業の遠隔化・建設現場の自律化をめざし、建設機械の遠隔操作の普及に向けた技術開発協定を締結したことを発表した。
コベルコ建機が推進する「働く人を中心とした、建設現場のテレワークシステム」K-DIVE CONCEPTとNECが提供する「重機遠隔操縦サービス」を相互連携することにより、最新鋭の遠隔操作システムと高度な無線ネットワーク技術が融合し、より高度で安定した建設機械の遠隔操作の実現が可能となる。
コベルコ建機は、「誰でも働ける現場へ KOBELCO IoT」をテーマにICTロードマップを策定し、その実現に向けて中長期的に研究・開発を進めている。そのひとつの柱であるK-DIVE CONCEPTは、建設機械の遠隔操作とクラウドマッチングシステムを融合させることで、特定の人・場所・時間などの制約を受けずに、建設現場での施工が可能となる「建設現場のテレワーク化」をめざしている。同社は「この実現により、深刻化する建設技能者の不足に対する多様な人材活用、現場生産性の向上、現場無人化による本質的な安全確保などが可能になると考えている」としている。
NECは、建設機械の操縦者が長時間にわたって安定した遠隔操作を行うことができる「重機遠隔操縦サービス」を提供している。同サービスは、適応遠隔制御技術によって、建設機械の遠隔操作において最も重要となる無線環境下での安定的な映像配信とスムーズな遠隔操作を可能にする。NECは「『誰もが快適に働ける現場』の実現に向けて『重機遠隔操縦サービス』のみならず、NECのAIや通信の技術などと他社のサービスや技術との更なる連携も進めていく」としている。
両社は、今回の協定に基づく取り組みの第一弾として、コベルコ
建機五日市工場(広島)に設置したK-DIVE CONCEPTのコックピットとNEC我孫子事業場(千葉)の実証フィールドにある油圧ショベルを、NECの「重機遠隔操縦サービス」を用いて接続し、安定した映像配信とスムーズな作業操作が可能か検証する実証実験を実施した。結果として、両社のシステムを連携した場合でも、お互いのシステムの性能(通信状況、作業性等)を損なうことなく遠隔操作が可能であることを実証できたという。
両社は「より多くのお客様に遠隔操作が可能な環境の提供に向けて大きく前進した。今後も、建設機械の遠隔操作の普及に向け、お客様にとってより使いやすく、利用価値の高い製品の開発に向けて相互に協力していく」との考えを示している。