旭化成ネットワークスとNECが、延岡データセンターにSA方式のローカル5Gネットワーク基盤を構築
DX/IoT/AI 無料旭化成ネットワークスとNECは11月15日、旭化成ネットワークスが宮崎県延岡市で運営するデータセンタにて、SA方式・Sub-6帯 無線周波数のローカル5Gを活用した最先端の無線ネットワーク基盤の構築を開始した。
旭化成ネットワークスの取り組み
旭化成ネットワークスは、自社のデータセンタ事業における付加価値向上・サービス強化に加え、旭化成グループでのスマートファクトリー化推進、地域製造業のスマート化、周辺自治体と連携し住民に向けた行政サービスのDX化、その他地域課題解決を見据えて、今年8月にNSA方式・28GHz帯 無線周波数での免許を取得し、実証実験を進めている。
一般的に、SA・NSAそれぞれの方式で使用される無線周波数帯の特性上、その性能には長所・短所があり、用途による使い分けが必要とされている。そこで、旭化成ネットワークスでは実証実験を通じ、各方式・各無線周波数帯の性能の比較や、運用・マネージメント方式の確認を行い、それぞれの方式の特性、および効果的な利用用途の検証を行う。同社は「実証実験で得られるノウハウを基に、最終的にはそれぞれの周波数帯でのサービス、利用方法のすみわけを行い、早期に具体的なデータセンタ事業におけるサービス形態の確立を進め、将来のスマートファクトリーへの展開等へのノウハウ蓄積につなげる」との考えを示している。
NECの取り組み
NECはローカル5Gネットワークに必要な機器や運用保守サービスをトータルで提供する「ローカル5Gマネージドサービス」をこの基盤に提供する。また、ネットワーク利用のユースケースとして音声で作業手順を指示して実績入力できる人作業ナビや、電波を用いて情報を非接触で読み書きするRFIDを利用した通い容器管理などのアプリケーションなどと組み合わせたシステムの提供も予定している。同社は「これにより、比較的難易度が高いとされる製造現場活動のデジタル化に貢献する」との考えを示している。
今後の展望
旭化成グループは、2019年度から推進している中期経営計画“Cs+ for Tomorrow 2021″において、DXの推進を事業高度化のためのアクションの一つに掲げ、研究開発・生産・品質管理・設備保全・営業・マーケティング・事業戦略・新事業創出など、幅広い範囲でDXの取り組みを進めている。同グループは「DX推進に必要となるローカル5Gについては自社での利活用だけでなく、関連機器に使用される機能樹脂や半導体向けの材料など、グループの幅広い製品群・技術でその普及を後押ししていく」との方針を示している。