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NECが、テレビ東京系列4局から次世代のIPマスターシステムを受注

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テレビ北海道・テレビ大阪・テレビせとうち・TVQ九州放送の放送サービス高度化に貢献

 NECは11月12日、テレビ東京系列局であるテレビ北海道(以下、TVh)、テレビ大阪(以下、TVO)、テレビせとうち(以下、TSC)、TVQ九州放送(以下、TVQ)の4局から、新たな放送サービスを実現する次世代のIPマスターシステムを受注したと発表した。
 NECは「IPマスターシステムは、今後提供が見込まれる4K放送やネット同時配信などの新たな放送サービスを柔軟に実現できるシステムとして、2023年8月から順次稼働を開始する予定だ」としている。

IPマスターシステムのイメージ図

 近年、国内の放送業界では、多様化する視聴者のニーズに対応するため、4Kなどの高精細放送やインターネット上の動画配信サービスなどの取り組みが進んでいる。一方、これらの新たな放送サービスを柔軟かつ安定的に提供するための仕組みとして、広帯域・多重伝送の信号処理に対応可能な放送システムのIP化が喫緊の課題となっている。
 こうした中、今回TVh・TVO・TSC・TVQの4局は、今後のTXNネットワークが進める放送・通信の融合によるグループ全体の成長に向けて、放送設備におけるIP化の実績・ノウハウを有するNECが提供する次世代のIPマスターシステムの導入を決定したという。

 同システムは、IntegratedPlayOut(IPO)や汎用IPルーターなどから構成されており、新たにIPネットワーク技術の活用により従来型の映像伝送であるSDIの信号処理や同軸ケーブルを置き換えることで、将来的な放送サービスの多様化に対応する柔軟性・拡張性と、広帯域・多重伝送にも耐えうる安定性・信頼性の両立を実現する。
 また、EBUピラミッド(注2)の技術要件で示される国際標準規格であるメディア伝送規格「SMPTE ST 2110」、制御・管理規格「AMWA NMOS IS-04,05」、時刻同期規格「SMPTE ST 2059(PTP)」に準拠しており、時代に合わせて進化するTXNネットワークの将来的な放送サービスの追加や変更に対して、柔軟かつ安定的な放送システムの構築・運用が可能となる。
 NECは「TVh・TVO・TSC・TVQの4局へのIPマスターシステム導入をはじめ、テレビ東京系列局が推進する次世代の放送設備におけるクラウドなどのICT活用強化に貢献していく。さらに、JT-NMロードマップ(注3)に示される国際標準規格に対応し、フルIP化、クラウド化を見据えた次世代放送サービスの実現と普及拡大を推進していく」との考えを示している。