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ノキアが、ソフトバンクとKDDI向けに5G共有ネットワークを展開

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 ノキアは10月11日、共有RANの展開を支援するベンダーの1社として、ソフトバンクとKDDIに選定されたと発表した。
 この展開は、ソフトバンクとKDDIの加入者に5Gサービスを提供するため行われるもの。ノキアがマルチオペレータ無線アクセスネットワーク(MORAN)を供給することで、両事業者はRANを共有できるようになり、それぞれのコアネットワークに接続して使用できるようになる。このネットワーク共有により、既存のベースステーションのサイトが共有でき、効率的な導入が可能になる。

 今回の契約に基づき、ノキアはベースバンドや無線プラットフォームなど、最新のAirScale製品群の機器が使われることになる。ノキアのMORANはトリプルモードで、LTE、5G、ダイナミック・スペクトラム・シェアリング(DSS)をサポートする。具体的には、新世代のReefShark SoCベースのプラグインカードを提供し、AirScaleベースバンドの容量を増強した。このReefShark搭載の新しいプラグインカードは簡単に設置でき、すべてのAirScale導入のアップグレードと拡張が簡素化される。また、前世代と比べてスループットは最大8倍になる。ノキアのモジュール式ベースバンドAirScaleでは、ソフトバンクとKDDIが5Gビジネスの発展に合わせて、容量を柔軟かつ効率的に拡張することができる。

 MORANにより、携帯通信事業者が無線アクセス・ネットワーク・インフラを共有し、コストを削減し、ネットワークを拡大し、新技術の効率的かつ効果的な展開を達成することができる。RANは、各通信事業者に割り当てられた専用無線周波数を使用して、リソースを独立して制御することができる。ノキアは、あらゆる運用シナリオに対応するネットワーク共有ソリューションを幅広くサポートしている。ノキアの柔軟なMORANソリューションは、携帯通信事業者と企業のプライベートネットワークや公衆ネットワーク、産業やキャンパスなどでも利用することができる。

 ソフトバンクの常務執行役員 兼 CNO(最高ネットワーク責任者)である関和 智弘氏は「ソフトバンクは、全国のお客様に最高の5G体験をいち早くお届けするために、KDDIと協力して5Gのネットワーク整備を進めている。この取り組みの中で、マルチオペレータ無線アクセスネットワークは、さまざまな効率化をもたらす重要な技術であり、ノキア製品の高いパフォーマンスに期待している」とコメントを出している。

 KDDIの執行役員 技術企画本部 本部長である佐藤 達生氏は「KDDIは、ノキアとソフトバンクの両社と密接に協力し、日本における5Gネットワークの展開を加速できることを嬉しく思っている。本マルチオペレータ無線アクセスネットワークソリューションにより、5Gならではの優れた体験をより早くお客様へ提供できることを期待している」とコメントを出している。

 ノキアのモバイルネットワーク プレジデントであるトミー・ウィット氏は「ノキアは、世界初の商用共有ネットワークを展開するなど、世界中でネットワーク共有分野の最前線に立ってきた。ソフトバンク様とKDDI様の両社とは長年にわたるパートナーシップを結んでおり、このプロジェクトに協力できることを嬉しく思っている。両事業者様は、新しいベースバンドプラグインカードを含む最新のAirScaleソリューションを利用して、必要な場所に容量を追加し、クラス最高の5G接続を加入者に提供することができる」とコメントを出している。