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ノキアが第5世代ルーティングシリコンを発表、IPネットワークセキュリティとエネルギー効率の新たなベンチマークに

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 ノキアは9月21日(エスポー)、高性能IPルーティングシリコンの第5世代となる、FP5の発売を発表した。(本抄訳は、9月22日に日本法人が発表)

 FP5は、ノキアのIPサービスルーティング・プラットフォームの新たな心臓部として、サービスプロバイダがクリアすべき膨大な要件に対応して、ネットワーク容量を効率的に拡張し、新しい高速IPサービスを実現する。また、増え続けるネットワークセキュリティの脅威に対して、卓越した保護機能を提供する。これまで業界をリードしてきた第4世代のネットワークプロセッサをベースに、高密度800GEルーティングインターフェイスの対応や消費電力の75%削減、新たな組み込み型のフローベース、ラインレートでの暗号化機能を追加することによって、ノキアはこれまでよりさらに水準を引き上げる。

 クラウドアーキテクチャ、5G、およびインダストリー4.0がネットワークの変革を推進する中で、サービスプロバイダはミッションクリティカルなIPネットワークのセキュリティ、機敏性、および持続性を高める必要に迫られている。IPネットワークは、増大するネットワークレベルでの攻撃や、セキュリティ侵害による脅威に直面しており、高いパフォーマンスと完全性の保証が必要になる。また、予期せぬ変更やサービスの進化にネットワークが存続する限り対応し続けなければならない。さらには、環境に配慮し、IPネットワーク機器の電力効率を上げることも必要となる。

 ノキアは「第5世代FP5ネットワークプロセッシングシリコンによりノキアはIPルーティングソリューションの新しい製品群を市場に提供し、サービスプロバイダがミッションクリティカルなIPネットワークを変革し、進化し続ける要件に対応できるようサポートする」としている。

 ノキアは長年、業界をリードしてIPネットワークセキュリティに対する組み込み型アプローチを提供してきた。FP4では、ルータでのDDoS攻撃に対する検出と軽減を可能とした。FP5では、チップセットに直接統合された新しいラインレート、フローベースの暗号化機能である「ANYsec」の導入により、新たなレイヤのネットワーク保護が追加される。ANYsecは、パフォーマンスや電力効率を損なうことなく、オンデマンドかつ大規模に、MPLSやセグメントルーティングを含む安全なIPサービスの提供をサポートする。サービスプロバイダは、ネットワーク上のすべてのデータの完全性と機密性を確保できるようになった。

 FP5によって、ルータのネットワーク容量は飛躍的に拡大される。ノキアのサービスルータープラットフォームは、モバイル・トランスポート、IPコア、ピアリング、BNG、プロバイダエッジなどのアプリケーション向けに高密度800GEおよび1.6Tbpsのクリア・チャネル・ルーティング・インタフェースに初めて対応する。新しいFP5ベースのラインカードは、14.4Tbps(ノキアのインテリジェント・アグリゲーション機能を搭載した場合は19.2Tbps)に対応する。新しいシリーズの固定フォームファクタである7750 Service Router-1プラットフォームにより、FP5の利点をより小規模なネットワークロケーションでも実現できる。

 ノキアのFP5ネットワークプロセッサは、転送能力あたりの電力消費を75%削減することができる。FP5はFP4と後方互換性があり、ノキアのサービスルータ・オペレーティングシステム(SR OS)の最新バージョンと完全に統合されているので、新しいハードウェアに移行した場合も、既存機能は全て初期からサポートされる。ノキアのこのハードウェアとソフトウェアを進化させる取り組みにより、比類のない持続可能な投資保護が提供される。

 フルプログラマブルなネットワークプロセッサであるFP5は、標準規格やアプリケーションの変化に応じてネットワークを進化させるために必要な機敏性と柔軟性を備えている。決定的なパフォーマンスを豊富なテレメトリによる知見と組み合わせることで、ネットワークオペレータは将来にわたって持続可能で保守可能なIPネットワークを推進することができる。

 BTのマネージングディレクター兼チーフアーキテクトのニール・マクレー氏は「BTはノキアと長年の関係を築いており、ノキアはFP5を活用して、IPネットワークの規模、柔軟性、および機能を確保するためのイノベーションに継続的に取り組み、そのおかげで、BTは一般家庭、携帯、およびビジネスのお客様からの需要の高まりにあらかじめ対策を打つことができる。また、特にBTとノキアの両社は、二酸化炭素排出量の大幅な削減に取り組んでおり、ネットワークの拡大に合わせて電力の最適化に注力していることは非常に喜ばしいことだ。この1年半で、私たちの生活は一変した。ネットワークへの依存度は飛躍的に高まり、ネットワークの信頼性はお客様にとって非常に重要な要素だ。セキュリティが顧客にとってこれまで以上に重要になっていることを考えると、セキュリティ機能をプラットフォームに組み込むノキアの取り組みは、素晴らしいことだ」とコメントを出している。

 NTTドコモの執行役員ネットワーク開発部長である音 洋行氏は「私たちのネットワークは、一般消費者、コミュニティ、そしてビジネスからの要求を満たすために進化し続けなければならない。ノキアは、最新世代のシリコンイノベーションを提供すること、投資保護に資する新しい要件に適応できる柔軟性を備えるよう配慮することで、IPネットワークを効率的に拡張および変革し、常に変化する市場の需要を先取りできるようにする適切な基盤を提供していると私たちは考えている」とコメントを出している。

 フランス・オレンジ ブロードバンドネットワーク部門のバイスプレジデントであるクリスチャン・ガコン氏は「私たちは、最初のシリコンプロセッサのリリース以来、ノキアと長い関係を築いてきた。お客様のニーズに合わせてネットワークが進化し続ける中、ノキアのFP5シリコンなどのイノベーションによって、容量、保守性、およびセキュリティのバランスを取りながら、最高の顧客体験を提供できるようになる。この魅力的なイノベーションを既存のプラットフォームに導入することで、計画的なリクエストと予期しないリクエストの両方を持続可能な方法で管理しながら、ネットワークを円滑に進化させることができる」とコメントを出している。

 ACG ResearchのCEO兼主席アナリストであるレイ・モタ氏は「ノキアは引き続き高性能シリコンを開発し、サービスプロバイダに対する理解とコミットメントを示し、120億ドル規模のサービスプロバイダ市場全体でナンバーワンのモメンタムを獲得する上で重要な役割を果たしてきた。第5世代FP5ルーティングシリコンの導入により、ノキアは、投資保護を提供しながら、IPネットワークをより機敏で効率的かつ安全なものに進化させようとしているサービスプロバイダにとって、選択すべきベンダとしての地位を維持できると考えている」とコメントを出している。

 ノキアのネットワークインフラストラクチャ部門プレジデントのフェデリコ・ギレン氏は「人間の驚くべきことの中で、おそらく最も驚くべきなのは、私たちの驚くことができる能力だ。お客様は、破壊的なセキュリティの脅威から世界的なパンデミックまで、ネットワークが堅牢で機敏性に富み、適応性が高く、人生のあらゆることに対応できることを求めている。FP5は、パフォーマンス、セキュリティ、および効率性の面で大きく進歩しており、優れたソフトウェア、およびネットワーク自動化とツールへの投資と組み合わせることで、IPネットワークとIPシリコンイノベーション分野でのノキアの長年のリーダーシップの次の章を開くものだ」とコメントを出している。

 ノキアのFP5ベースのプラットフォームは、2022年前半に提供が開始される予定だという。