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NECプラットフォームズ、コンパクトボックス型コントローラにXilinx社のMPSoCを搭載した新モデルを発売

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MPSoC搭載で安定したリアルタイム処理を実現

製品外観

 NECプラットフォームズは8月31日、エッジコンピューティングに最適なコンパクトボックス型コントローラの新モデル「コンパクトボックス型コントローラ Xilinx Zynq UltraScale+ MPSoC搭載モデル」を販売開始した。

 同製品は、米国Xilinx社の高性能なチップMPSoCを搭載しFPGA部に専用ロジックを組み込むことで、無駄のない効率的な処理で安定したリアルタイム性を実現している。AIや画像解析など負荷の大きい演算処理の際にCPUのみの処理に比べ処理速度が向上するなど、リアルタイム処理性能を高め企業のDXの取り組みを支援する。
 例えば、産業用カメラと組み合わせることで、製造ラインにおいて画像から製品の識別や測定、欠陥検出など複雑な作業を自動化・高度化するマシンビジョンシステムの構築が可能となるので、製造現場の省人化や品質向上といった効果が見込める。

Xilinx社のMPSoCを搭載したメインボード

背景と特長

 近年、IoTの普及に伴い多くのデバイスがネットワークを通じて接続される中、クラウドへの通信負荷軽減やリアルタイムのデータ活用などのニーズに対応するため、デバイスや利用者の近くでデータを処理するエッジコンピューティングの利用が広がっている。例えば、生体認証による入退ゲートや店舗カメラの映像を活用したマーケティング分析、製造現場での自動検査など幅広い分野で利用が進み、エッジ端末にも高い性能が求められている。
 主な特長は次の通り。

高速・リアルタイム処理が可能:同製品には、高性能なXilinx社のZynq UltraScale+ MPSoCが搭載されており、FPGA部に論理実装するだけで様々な用途で利用可能だ。開発および評価にかかる工数を大幅短縮しながら、FPGA部を用いてAIや画像解析など負荷の高い演算のリアルタイム処理が実現できる。また、FPGA部の活用により、低消費電力・低発熱で24時間365日の連続安定稼働が可能だ。

優れた拡張性:M.2スロットや外部拡張スロット、USB、Giga bit Ethernet、DisplayPortなどの豊富なインタフェースを標準搭載している。M.2スロットは、SSDやWi-Fiモジュールの増設が可能だ。また外部拡張スロットは、FPGA部の信号と直結可能な設計になっており、産業用カメラや制御機器との接続などニーズに合わせたカスタムインタフェースの増設が可能だ。

容易なシステム構築と試作から量産までをワンストップサポート:マシンビジョンシステムなどを構築する際に必要な組み込みOS、AIエンジン、産業用カメラなどについて、ベンダと予め連携し標準サポート品を揃えており、個別に評価・検証することなく用途に合わせたシステム構築が可能だ。
 また、試作開発フェーズでの製品仕様・要件検討の支援、高度なノウハウが必要となるFPGA部の論理実装などの受託開発、量産開発フェーズでの規格認証試験の支援、信頼性向上の施策提案までオプションサービスを用意しており、ワンストップにサポートする。

 ザイリンクス カントリーマネージャの林田裕氏は「ザイリンクス適応型 Zynq UltraScale+ MPSoC デバイス製品をご採用頂き大変うれしく思っている。エッジAIに求められる、低遅延・リアルタイム処理、更にAI推論処理・カメラ/センサ入力データのコーデック、機器制御をZynq UltraScale+ ZU7EVにて実現いただいた。本製品が、エッジコンピューティングの市場を開拓し、より良い社会を創造することに貢献できることを期待している」とコメントを出している。

 クロスコンパス 代表取締役社長の鈴木克信氏は「産業用途でのAIのエッジデバイス実装は加速している。その際、高速/低消費電力処理やI/Fの拡張性が強く求められる。このコンパクトボックス型コントローラ Xilinx Zynq UltraScale+ MPSoC搭載モデルは、これらAI実装に最適なエッジデバイスと考えている」とコメントを出している。

 LeapMind 執行役員 / VP&GM effciera divisionの山崎勝利氏は「エッジAIの実用化をめざすLeapMindにとって、コンパクトボックス型コントローラ Xilinx Zynq UltraScale+ MPSoC搭載モデルは他にはない強力なプラットフォームだ。本製品と弊社Efficieraの特徴を活かしたエッジAIソリューションの構築に貢献していく」とコメントを出している。

 NECプラットフォームズは「NECグループの開発・生産を担う会社として培ったものづくりの力を活かし、ICTソリューションの開発に携わる企業やエンジニアの支援を行うことで、新たな価値創造とサステナブルな社会の実現に貢献していく」との考えを示している。

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