分散分光方式で業界最高性能の波長分解能5pmを実現した光スペクトラムアナライザ【横河計測】
テレコム 無料横河計測は8月30日、光通信波長帯1200nmから1650nmにおいて、光スペクトルを高い波長分解能と広いダイナミックレンジで測定する研究、開発者向け光スペクトラムアナライザ「AQ6380」を開発したことを発表した。8月31日から販売を開始するという。
「AQ6380」は、分散分光方式の光スペクトラムアナライザで業界初(※1)の波長分解能5pmを実現した、ベンチトップ型光スペクトラムアナライザ。
主な市場は、光通信向けレーザ、光トランシーバ、光通信装置などの研究、開発における光スペクトル測定。主な対象ユーザは、光通信分野などの大学・研究機関およびデバイスメーカー、装置メーカーなど。
※1)2021年8月現在、横河計測調べ
横河計測は「近年、光通信分野では、IoT、クラウド、5Gなどの通信サービスの拡大による大容量高速光通信ネットワークの需要拡大に対応するため、バックボーンからアクセスまでWDM技術が広く採用されている。特に次世代光トランシーバやDWDM技術では、より高い分解能や広いダイナミックレンジ性能が求められる。今回開発したAQ6380は、当社が1980年に光スペクトラムアナライザ市場に参入して以来、長年培ってきた分散分光の光学設計技術と光測定業界における豊富な経験により、フォトニック技術の最も要求の厳しいアプリケーションで使用されるデバイスやシステムを効率的かつ効果的に測定する性能を備えた信頼性の高い光スペクトラムアナライザだ」としている。
新製品の特長
多様なアプリケーションに対応できる分散分光方式
幅広い波長範囲をカバーでき、かつ、レーザ光から広帯域光までの測定にも応用できる特徴がある分散分光方式を採用しているため、「AQ6380」はレーザ光、広帯域光源、光受動部品など、多様なアプリケーションに使用される光部品や装置の測定に利用できる。
業界最高の高い波長分解能と波長確度
「AQ6380」の測定分解能は、現行製品「AQ6370D」と比較して4倍高い5pm、波長確度は、2倍の±5pmを実現した。また、自動自己波長校正機能により、高い波長確度を維持する。今まで観測することが難しかった10GHzで変調された半導体レーザの発光スペクトルも鮮明に観測できる。分散分光方式の光スペクトラムアナライザで業界最高性能(※1)だ。
高いノイズ抑圧比
「AQ6380」は入力光に起因するノイズを抑圧する性能に優れ、ノイズ抑圧比は80dBを実現している。レーザのサイドモード測定などレベル差のある光スペクトルを高速かつ高ダイナミックレンジで測定する。これは分散分光方式の光スペクトラムアナライザで業界最高性能(※1)だ。
高速測定
連続波の光測定に特化した新しい感度モード「RAPID」を搭載し、代表的な測定条件下において、現行製品である「AQ6370D」の最大20倍のスピードで光スペクトルを測定する。
操作性の向上
マルチタッチ対応の大型タッチパネルにより、直感的な操作性がさらに向上した。タブレット端末を操作しているかのような感覚で、測定条件の変更、測定や解析の実行、光スペクトルビューの変更などを行うことができる。また、測定条件設定から解析結果出力までの一連の操作をナビゲートする測定対象固有のテストアプリを提供する。ユーザはAQ6380の様々な設定を意識することなく使用できる。
被測定光本来の光スペクトルの測定が可能
分光器内の空気に含まれる微量な水蒸気を除去して特定の波長の光の吸収を抑制する機能を搭載した。被測定光本来の光スペクトルの測定を可能にする。