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フジクラが業界最高水準の性能を実現した5Gミリ波インフラ向けPAAMを発表

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固定ワイヤレスアクセス、モバイルブロードバンド、バックホールアプリケーション等の様々な用途に幅広く対応

FutureAccessの外観

 フジクラは8月2日、5Gミリ波インフラ用途向けに、業界最高水準の性能を誇る最先端の28 GHzフェーズド・アレイ・アンテナ・モジュール(PAAM:Phased Array Antenna Module)『FutureAccess』を発表した。
 同社は「今後、2022年3月末までに、お客様向けにワーキングサンプルの提供を開始する予定だ」としている。

 フジクラの最新PAAM製品となる『FutureAccess』は、アンテナアレイ、ビームフォーミングIC、周波数変換ICおよびフィルタを一体に集積したモジュールだ。同モジュールはミリ波を利用した固定ワイヤレスアクセス(FWA)、モバイルブロードバンド(MBB)、バックホールアプリケーションなどの各用途に適している。同社は「ミリ波がモバイルインフラの将来を担うと考え、長期的な事業戦略のもとで開発を進め、本製品をはじめ高度に差異化できるミリ波RF-ICモジュールをインフラ市場のお客様に継続的に提供していく」との考えを示している。

 『FutureAccess』は、業界最高水準の性能を誇るだけでなく、ユーザにとって最適な総所有コスト(TCO)も実現する。加えて、他の多くのミリ波 RF-ICプロバイダとは異なり、アンテナアレイ、ビームフォーミングIC、周波数変換IC、およびフィルタを組み合わせ、システムレベルで高度に統合したモジュールを提供するという同社独自のアプローチにより、5Gミリ波インフラを構築するユーザのシステム開発時間の大幅短縮にも大きく貢献することができる。
 主な特長は次の通り。

  • 24–30GHzの広い周波数帯域で動作し、n257、n258、n261の各3GPPバンドをサポート
  • 8×8素子のアンテナアレイであり、各アンテナ素子が送受信、および水平・垂直のデュアル偏波ビームに対応
  • 信号位相と振幅を独立に制御可能な柔軟にビームを生成できる128個のフロントエンド
  • 水平と垂直の両方向で±60°までビームステアリング可能
  • タイリングにより最大1,024アンテナ素子までモジュール化・拡張可能
  • 校正不要で設置が容易
  • 使用容易な新しい制御機構で、10,000を超える方向に超高速にビームステアリング可能
  • 広い周波数範囲にわたってビーム方向維持と低信号歪みを実現
  • トレードオフ関係にある低雑音指数(Noise Figure:NF)と直線性を柔軟に設定できる優れたデジタル制御を有する
  • 低消費電力と高電力効率に最適

スケーラブルなミリ波フェーズド・アレイ・モジュールを乗せた評価装置

 フジクラは、米国IBMと共同でPAAM 製品 の開発を進めており、共同開発の最新成果の一部は国際会議や学術誌で発表している。最近では、2021年6月に米国アトランタで開催されたIMS 2021のIMS SectionのTh3E‐1や、RF-IC SectionのTu2E‐2にて成果発表をしている。
 フジクラは「今後、世界各地の5Gインフラ構築を推進されるお客様に向けて『FutureAccess』をご提供していくことで、5Gミリ波ネットワークおよび5Gサービスの成長と拡大に貢献していく」としている。