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8K HEVC エンコーダ「ELL8K」商用5Gで世界最高水準の低遅延8K映像伝送に成功【ミハル通信】

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 ミハル通信は7月30日、超低遅延8K HEVCエンコーダ/デコーダ「ELL8K」を使って、8K映像を商用5Gサービスで送信、インターネット経由で商用5Gにて受信し8Kテレビに表示させる実証実験を行い、全体の遅延時間を合計250ms以下に抑えることに成功したと発表した。(※同社計測器にて測定)

 ミハル通信は2020年10月の第3回4K・8K映像技術展で「ELL(エル)8K」を発表し、同社が独自開発した変調技術を使った8K映像のエンコードとデコードで、合計15~30msという超低遅延をデモ展示で実演した。その後、放送局、通信会社等と8K映像伝送実験を行い、フィールドテストを行ってきたという。
 今回の実証実験は、京セラの協力で実現。同社横浜事業所の商用5G網を利用し、8Kカメラの映像をELL8Kでエンコードし、京セラ製5G対応デバイス「K5G-C-100A」を使って商用5Gサービスで送信、インターネット経由で商用5Gにて受信し8Kテレビに表示させる実証実験を行い、全体の遅延時間を合計250ms以下に抑えることに成功した。(※ミハル通信計測器にて測定)

 ミハル通信は「今後、放送・映像業界の8K素材伝送、8Kの高精細映像を利用した自動運転、医療業界などの遠隔操作などにELL8Kを使ったソリューションをご提案する」との考えを示している。

実証実験概要
実施日:2021年7月5日
実験会場:京セラ 横浜事業所(神奈川県横浜市都筑区)
使用機器:
ELL8K HEVCエンコーダ/デコーダ(ミハル通信)※2021年度下期 製品化予定
5G対応デバイス「K5G-C-100A」(京セラ)
VPNルータ(古河電気工業)

実験システム図

実験内容

  • 上り回線は、8Kカメラで撮影した映像信号を12G-SDIで入力信号変換器に入力。フォーマット変換をして「ELL 8K HEVCエンコーダ/デコーダ」(以下「ELL8K」)に入力。「ELL8K」で超低遅延のHEVCエンコードを行い、VPNルータ(古河電気工業製)を経由して京セラ製5G対応デバイス「K5G-C-100A」に入力。「K5G-C-100A」から商用5G基地局(ミリ波の商用5G網)に無線伝送。5G基地局からインターネットを経由し、同じ5G基地局に伝送。
  • 下り回線は、5G基地局から無線伝送した信号を2台目の「K5G-C-100A」が受信。2台目のVPNルータを経由して「ELL8K」に入力。超低遅延デコードした信号をSDI/HDMI変換をした後、民生用8KテレビにHDMIで伝送して表示した。
  • 8Kカメラは1ms単位で時間を表示するカスタムカウンターを撮影。カウンターと5G・インターネットを経由して8Kテレビに映し出されたカウンターの映像を別のカメラで一緒に撮影し、それぞれのカウンターの画像に表示された時間の差から、遅延時間を測定した。

検証結果

 実証実験で利用した京セラ横浜事業所内のミリ波の商用5G網において上り300Mbpsのビットレートが出て、8Kカメラから5G・インターネットを経由して8Kテレビに表示するまでの全体で、250msを切る低遅延での8K映像伝送を実現した。250ms以下の遅延で8K映像がミリ波の商用5Gネットワークとインターネットを通過させることが可能であることを実証した。

実験の様子(京セラ横浜事業所内)