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NTTとACCESSが「IOWN構想の実現」に向けた提携に合意

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 NTTとACCESSは7月27日、「IOWN構想の実現」を目的とした提携に合意したことを発表した。
 同提携を通じ、IOWN時代の新たなユーザインターフェース及びユーザエクスペリエンス(UI/UX)の研究開発を進める。また、ACCESSの100%子会社であるIP Infusionの体制を活用し、NTTのソフトウェアをグローバル市場向けに販売していく基盤を整える事で、開発したソフトウェア製品を、グローバル展開するためのバリューチェーンを先行整備する。
 各社の役割は次の通り。

NTT:IOWN構想の実現に向けた研究開発・社会実装

ACCESS:IOWN時代のUI/UXを実現するブラウザ技術の研究開発。子会社のIP Infusionを通じたIOWN具現化に向けたネットワークOSのグローバルでの販売・サポート

提携の背景

 ウィズコロナ/アフターコロナにおいては、ソーシャルディスタンスの確保などを前提とした分散型社会にシフトしていくことが考えられる。そのような分散型社会での、リアルとバーチャルがシームレスに連携する世界の実現のために、皆が簡単にデジタル情報のみならず様々な形態の情報を処理し価値創造できる情報基盤が求められ、かつその新しい情報基盤をあらゆるユーザにとってわかりやすく簡便に使いこなせることが自然にできるような画期的なUI/UX技術が求められている。
 更に、それらを支える情報基盤には、人、モノ、バーチャル空間等、あらゆる場所から生み出された膨大なデータをつなぐための、迅速なスケーリングや柔軟な構成変更できる能力が求められる。これらの実現に向けて様々なプレイヤーが、自動化やAI等との親和性の高い、ソフトウェアベースでのネットワーク技術開発を活発にし、費用対効果の高いインフラを展開している。

 こうした中でNTTは、『”Your Value Partner”として、事業活動を通じて パートナーの皆さまとともに 社会的課題の解決をめざします』というグループビジョンの下、世界に変革をもたらす革新的な研究開発を推進している。同社は「具体的には、社会に多彩なサービスを生み出す基盤をつくるためのビジョンとして、IOWN構想を打ち出し、世界のパートナーとともに、ゲームチェンジを可能とする技術開発などを通じたイノベーションに取り組んでいく」との考えを示している。

  ACCESSは『すべてのモノをネットにつなぐ』という企業ビジョンの下に成長し、インターネットの普及とともに「人々とインターネットの情報やサービスをつなぐ技術」を進化させ続けてきた。特に、”ケータイ”をインターネットにつなぎそれを全世界に提供した実績等、ブラウザをはじめとする「組み込みソフトウェア技術」と卓越したノウハウを有している。
  またIP Infusionは、ホワイトボックスソリューションにおけるリーディングカンパニーであり、爆発的に急増するネットワークトラフィックの厳しい要件に応える世界最先端のネットワーク技術を開発し、通信キャリアが求める品質・信頼性を持つホワイトボックス製品を提供することでネットワークのオープン化とディスアグリゲーションの実現に取り組んでいる。

提携の概要

 今回の提携では、NTTのUI/UX技術、ACCESSの組み込み向けブラウザ技術を活用した研究開発を推進する。更に、350社以上への提供実績を通じて構築した、IP Infusionのソフトウェア型ネットワークオペレーションシステム(ネットワークOS)の技術・知見、およびサポート能力とグローバルなデリバリー・オペレーション体制を活用し、IOWN構想により生み出された画期的な技術を効率的に世界中に広げていくことをめざす。
 主な取り組みは次の二点。

IOWN時代のUI/UXに関わる研究開発
 インターネットの誕生は情報空間の膨大な拡張を可能にし、そこへ誰もがいつでもどこからでもアクセスできることによって世界を大きく前進させてきた。
 IOWN はリアル世界とバーチャル世界が通信の帯域や遅延による制約を受けることなくシームレスに連携する新たな情報基盤を提供する事をめざしている。その情報基盤の価値を最大限に引き出し全てのユーザが簡便に自然に使いこなせるようにNTTがこれまで培ってきたUI/UX技術とACCESSのブラウザ技術を活用し、IOWN時代に必要とされるUI/UXを実現するための研究開発を推進してく。

NTTのソフトウェア技術の商用化に向けた、グローバルレベルでのバリューチェーンの構築
 NTTは、ホワイトボックスの通信キャリアネットワークへの活用に向けて、Beluganos(L2/L3ネットワーク装置向け)、Goldstone(光伝送装置向け)といったホワイトボックス用ネットワークOSを様々なパートナー、コミュニティとともにオープンに研究開発してきた。一方、IP Infusionは、自社製ホワイトボックス用ネットワークOSであるOcNOS等だけでなく、DANOS-Vyatta editionのグローバルインテグレータ兼カスタマーサポートプロバイダを担い、またオープンソースであるCommercial SONiC Distribution のサポートも行う等、パートナーも含めた幅広いポートフォリオの製品を開発し、継続的にサポートするグローバル体制を整えてきた。
 今回の提携を通じ、IOWNをはじめ最先端のネットワーキングを可能とするネットワークOSをグローバル市場で販売・サポートする基盤となる体制の早期実現をめざす。

今後の予定

両社は今回の提携を通じ、UI/UXに関わる共同研究では、IOWNを通じて得られる多種多様な情報を、受け手それぞれの特性や価値観に応じて効果的に提示できるような、新しいUI/UXの構築をめざしていく。
 更に、IOWN構想実現の具現化に向け、先駆け的ネットワークOSの位置づけとして、Beluganos、Goldstoneの、2022年度の市場投入をめざすという。
 両社は「今後もIOWN構想を実現するため、グローバルに様々なパートナーとオープンに研究開発を推進していく」との考えを示している。

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