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三菱商事とNTTデータがグローバルでのRPA活用について提携開始

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 三菱商事とNTTデータ、NTTデータのブラジル子会社everis Brasil Consultoria de Negócios e Tecnologia da Informação(以下、everisブラジル)は6月30日、グローバルでのRPA活用について提携を開始すると発表した。
 3社は2020年5月より先行して、中南米地域でのDX分野での協業を開始しており、今後は中南米地域にとどまらずグローバルでの三菱商事グループ(以下、MCグループ)のDX推進および、MCグループとNTTデータグループが有する顧客基盤を活用したRPA「WinActor」の営業活動で連携していく。NTTデータは「2024年末までに海外の企業・行政機関向けに5,000ライセンスの提供を計画しており、MCグループとの連携により実現を加速する」としている。

両社のDX協業の経緯
 2019年12月に三菱商事と日本電信電話(以下、NTT)は産業DX推進に関する業務提携について発表後、オランダの位置情報サービスプロバイダのHERE Technologiesへの共同出資を行い、三菱商事が得意とし、多くのノウハウが蓄積されている食品流通分野で合弁会社「インダストリーワン」を設立する等、取組を進めてきた。
 また、同業務提携の中では、三菱商事の事業現場発のDXをNTTデータのデジタル技術により実現していく取組も進めている。今回、TradeWaltzでブロックチェーンを活用しMCグループ等での貿易手続き電子化に着手したことに引続き、三菱食品やメタルワンでも導入されているNTTが開発したRPA(ロボティクスプロセスオートメーション)「WinActor」を活用し業務効率化やプロセスの改善に取組んでいる。

中南米地域でのDX協業開始
 2020年10月にMetal One do Brasil Industria, Comercio e Representacao Comercial(以下、メタルワン・ブラジル)は、everisブラジルと共に、中南米地域においてWinActorをMCグループとして初導入した。また、2021年1月には伯国三菱商事にて、WinActorの導入と並行して、業務効率化の促進等を目的に社内で複数のチームが作成したロボットの出来をコンテスト形式で競う、業務改善コンテスト「ロボコン」を開催した。現在は、経済・市場概況のレポーティング業務や、経理・法務等の幅広い領域でロボットを活用し業務処理の省力化・効率化・精度向上に寄与している。また、継続的に見直し・改善を実施しており、同社および中南米のMCグループ企業間の業務プロセスの最適化を図っている。
 また、伯国三菱商事とeverisブラジルは、事業の各分野におけるDXの促進と実現に向けたフレームワーク契約を2021年3月に結び、加えて5月にはWinActorの中南米地域内への導入を含めた協業契約を締結した。両契約を通じて、MCグループとNTTデータグループは、ブラジル、チリ、コロンビアを始めとする中南米域内10ケ国へWinActor展開をめざす。また、WinActorの提供にとどまらず、今後も同地域における三菱商事の産業知見とNTTグループのデジタル知見を掛け合わせ、通信インフラ分野、インダストリー向けソリューションなども含め幅広い分野と業界軸で、産業DXに関する連携を図っていくという。

グローバル展開
 今後は、MCグループ内や中南米地域でのRPA導入のみならず、三菱商事の持つ顧客基盤に対して両社連携のもと、WinActorをグローバルに提供していくことをめざす。三菱商事はデジタル領域における顧客への提案力強化、NTTデータは、グローバル領域におけるデジタルオファリング展開の加速をし、幅広い産業のデジタル化と社会的課題解決をめざす。
 なお、2017年からNTTデータは三菱商事の本社やAPACの海外拠点を中心に67のグループ会社の自動化をサポートしており、MCグループへのWinActorおよび技術支援の提供を、everisブラジルを中心とするNTTデータグループ各社と共に、各国でグローバルに継続していく。NTTデータは、世界76カ国でWinActorを販売可能な体制とグローバルサポートセンタを有しており、MCグループ内外でのRPA活用に際して万全の体制で販売、導入支援を実施していく。
 NTTデータは「2024年末までに海外の企業・行政機関向けに5,000ライセンスのWinActor提供を計画しており、MCグループとの連携により実現を加速する」としている。

 メタルワン本社での2017年からのWinActor導入に続き、中南米地域で同活動を進めるメタルワン・ブラジルの加藤社長は「日本の主要産業である自動車・土木建築・造船業界向けに鉄鋼製品の加工・流通を担うメタルワンにおいては、取引情報の迅速、且つ正確な伝達・管理・分析は極めて重要な役割を担う。メタルワン本社および国内支店では2017年より日本製のRPAツールWinActorをいち早く業務に取入れ、情報提供機能の強化を着実に進めてきた。現在、123件のWinActorが日々、稼動している。中南米においても、多くの日系製造業が活躍されており、メタルワン・ブラジルにてWinActor導入を日本同様に、いち早く着手し、情報提供機能の強化を図っている。今後は、メタルワン・ブラジルの取引先へのRPA展開を進め、中南米の日系製造業への貢献をNTTデータグループと共同にて進めていきたい」とコメントを出している。

 伯国三菱商事でのロボコンの開催、中南米地域でDXビジネス連携を進める、伯国三菱商事の渡部CFOは「伯国三菱ではRPAの導入を、NTTグループ(everisブラジルおよびNTTデータ)のサポートを得て、ロボットコンテストという形で実施した。業務改善・ビジネスへの活用という目に見える効果とともに、ITスキルを持った人材が多数育成されたことで、今後の産業DX分野での中南米地域への横展開の“橋頭保”を確保することが出来た意義は大きいと考えている。また、三菱商事とNTTは企業文化・ビジネススタイルも似ており、両社がコラボレーションすることのアドバンテージ・効果を体現したので、今後も、三菱商事が持つ産業知見と、NTTグループが持つデジタル知見の掛け合わせを意識しながら、HERE社サービスの展開、通信インフラ関連での協業等、産業DXの幅広い分野でのNTTグループとの更なる連携を、中南米地域で取組んでいく」とコメントを出している。