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コンテナ化した5Gコアネットワークの性能試験において業界最高水準のスループットを達成【楽天モバイル、NEC、インテル】

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 楽天モバイル、NEC、インテルは6月25日、コンテナ化したSA方式の5GC(コアネットワーク)の性能試験において、UPF (User Plane Function)の性能が業界最高水準のスループット(データ処理速度)である640Gbpsを達成したちょ発表した。
この5GCは、楽天モバイルとNECが共同開発しており、「Rakuten Communications Platform」(以下、RCP)上で稼働している。

 コンテナ化されたUPFの性能向上は、5GCの展開において重要な課題だ。一般的な4GネットワークではC-Plane (コントロールプレーン)とU-Plane (ユーザプレーン)は統合されている。5Gネットワークではこれを完全に分離することで、拡張性の高いUPFが実現できる。これにより、プライベートネットワーク、エッジコンピューティング、ハイブリッドクラウドなど、様々な導入形態の展開が見込める。楽天モバイルは、4G LTEネットワークにおいて既にC-Plane とU-Plane を分離させたCUPS(Control and User Plane Separated)を導入するなど、ネットワークの立ち上げ当初から5Gアーキテクチャーを採用している。

 今回、コンテナ化されたSA方式5GCにおけるUPFの1サーバあたりのスループット640Gbpsは、東京都内の研究施設において測定されたものだ。この結果は、今後の商用ネットワークにおける性能向上にもつながることが期待される。

 今回のコンテナ化されたUPFのスループット高速化は、楽天モバイル、NEC、インテルによる専門性の高い協力関係による成果だ。
NECは、通信とITに関する高度な専門性を用いて、通信業界における最先端の製品開発を行い、CPUの使用率とメモリの高速アクセスを最大化させている。
 インテルのAIアクセラレーション機能を備えた第3世代インテルXeonスケーラブル・プロセッサや、DDP(Dynamic Device Personalization)機能を備えたデュアルポート100Gbインテル・イーサネット・ネットワーク・アダプターE810-2CQDA2など、最新の高性能インフラストラクチャが活用されている。
 楽天モバイルは、RCP上でコンテナを導入した環境を構築し、高速処理を行うことにより、RCPが持つ全自動化を活かしながら、トラフィックの特性に応じてエッジデータセンタからセントラルデータセンタまでUPFを俊敏かつ柔軟に展開することを可能にしている。

 楽天モバイル 代表取締役副社長兼CTOのタレック・アミン氏は「楽天モバイルは、オープンな標準に準拠し、完全にコンテナ化されたモバイルネットワークの設計と構築に成功している。今回のNECとインテルとの協業を通して、コンテナ上での高速処理が可能であることを見出すことがでた。引き続き、当社はコアネットワークの性能向上に尽力し、日本および世界でネットワーク技術を展開することでコストと消費電力の削減にもつなげていきたいと考えている」とコメントを出している。

 NEC 執行役員常務の河村厚男氏は「楽天モバイルとインテルおよびNECが、業界最高水準のUPF性能を実証できたことを誇りに思っている。NECは、25年以上にわたるモバイルコアネットワーク分野での豊富な経験を活かし、高性能で信頼性の高い5Gシステムを開発してきた。また、ネットワークとコンピューティングの両領域における実績、技術力、専門性を活かし、仮想化やクラウドネイティブ技術を採用した高品質な5GCを展開している。加えてNECとインテルはCPU、NIC(Network Interface Card)等のハードウェア事業で長期に関係があり、DPDK(Data Plane Development Kit)に代表される仮想化の高速化技術を共同で高めてきた。今回NECは、クラウドネイティブなUPFで最高のパフォーマンスを得られるよう、大幅な最適化と改善を行った。今後、本成果を生かして、日本並びに世界へ5Gを通じた社会貢献を続けていく」とコメントを出している。

 インテル ネットワークプラットフォームグループのコーポレートバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのダン・ロドリゲス(Dan Rodriguez)氏は「インテルの最新技術で構築したNECのコンテナ化した5G UPFソフトウェアと、楽天モバイルの完全仮想化モバイルネットワークの協業は、今後の5G展開において、いかにエコシステムとの融合と最先端技術の両方が不可欠であるかを示している。最新の第 3 世代インテル Xeon スケーラブル・プロセッサとインテル イーサネット 800 シリーズ・ネットワーク・アダプタに関する各社の継続的な開発と最適化により、今回の優れた性能が実現された。卓越したパフォーマンスを提供するだけでなく、エンドユーザに最高の体験を提供するために、コアからエッジまでのワークロード実行において、柔軟性も追加している」とコメントを出している。

 これまで楽天モバイルとNECは、日本国内の楽天モバイルのモバイルネットワークでの活用およびRCPでの提供を目的に、コンテナを導入したSA方式の5GCの共同開発に関する2020年6月の合意をはじめ、RANの領域においても国内モバイルネットワーク向けに5G用基地局装置の無線機(Radio Unit)の共同開発を行ってきた。2021年5月には両社の協業範囲を拡大し、「O-RAN ALLIANCE」が定めるO-RANフロントホールインタフェース仕様に準拠したOpen RANシステムの提供(4G および5G無線機と、システム構築のエンジニアリングサービス)をグローバルで提供を開始し、RCPのグローバル展開の加速に向けて取り組んでいる。
 楽天モバイル、NEC、インテルは「オープンで完全にクラウドネイティブでコンテナ化されたSA方式5GCの共同開発を通じて、世界規模でモバイル通信技術の革新を推進し、日本および世界中のユーザに高品質な5Gネットワーク技術を提供することを目指していく」との考えを示している。