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信号光源用高出力DFBレーザダイオードチップを増産【古河電工】

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5Gの実用化によるデータセンタやアクセス系ネットワークでの需要拡大に対応

 古河電気工業(以下、古河電工)は6月23日、DFBレーザダイオードチップの生産能力を2倍超に増強すると発表した。

背景
 クラウドサービスや5Gなどの新しい情報通信サービスの普及にともない、通信トラフィックは増大し続けている。そのため、基幹系ネットワークからデータセンタおよびアクセス系ネットワークまでのいたる所において、さらなる大容量化が求められている。
 データセンタやアクセス系ネットワークにおいては、小型かつ低消費電力を実現できる強度変調方式の光トランシーバが用いられている。近年では、小型・高集積、かつ低消費電力、低コストの面で強みを持つシリコンフォトニクス技術が広く採用されており、単一波長で高出力な光源としてDFBレーザダイオードチップが多く搭載されている。通信トラフィックの増大にともなう光トランシーバの需要拡大により、搭載されるDFBレーザダイオードチップも今後更に需要が高まると見込まれている。

光通信ネットワークの概観とDFBレーザダイオードチップの適用領域(点線丸囲み部)


イーサネット向け光トランシーバの需要予想(LightCounting社)

内容
 古河電工は2000年からDFBレーザダイオードチップを製造しており、世界トップクラスの高光出力特性と高信頼性技術に定評を得ている。
 同社は「今回、GAFAMの引き続き旺盛なデータセンタ投資、および全世界的なアクセス系ネットワークでの帯域需要の高まりを受け、DFBレーザダイオードチップの生産能力を2倍超へ増強する。また、今後も需要が高まることを踏まえ、更なる増産投資も検討している」としており、「今後、CPO(Co-Packaged Optics)やIOWN構想など、将来的な光電融合へ向けて更に集積化の動きが加速していくと予想されている。超集積時代の光源に対する要求特性に応えていくためにも、DFBレーザダイオードチップの技術開発を進めていく」との考えを示している。

DFBレーザダイオードチップ

 また古河電工は、DFBレーザダイオードチップをはじめ、長距離通信向け信号用レーザーダイオードモジュール(ITLA)や励起用レーザーダイオードモジュールなど幅広い光源ラインナップを提供しており、基幹系ネットワークからデータセンタおよびアクセス系ネットワークまで、広範囲にわたる高機能光ネットワークの実現を支えている。同社は「今後も情報通信の発展を支え、安全・安心・快適な生活の実現に貢献していく」という。