エクイニクスとGIC、xScaleデータセンター拡大に39億USドルを追加投資
データセンタ/LAN 無料世界32都市圏に拡大予定の2年計画がハイパースケーラーのさらなる躍進に寄与
エクイニクスは6月14日、シンガポールの政府系ファンドであるGICとリミテッド・ライアビリティ・パートナーシップ(LLP:有限責任事業組合)形態によるジョイントベンチャーの追加投資を合意したと発表した。これによりxScaleデータセンターのポートフォリオは、全世界の32拠点で総額は約69億USドル超規模になる。
xScaleデータセンターは、世界最大手のクラウドサービスプロバイダー(CSP)を含むハイパースケーラーを顧客とし特有のコアワークロード導入の需要に応え、220を超えるIBX(InternationalBusiness ExchangeTM)データセンターを擁するエクイニクスのグローバルプラットフォームに追加される。追加投資が成立すると、xScaleデータセンターのポートフォリオは以下の3地域に広がる。
欧州:ダブリン(3拠点)、フランクフルト(5拠点)、ヘルシンキ(1拠点)、ロンドン(2拠点)、マドリード(2拠点)、ミラノ(1拠点)、パリ(4拠点)、ワルシャワ(1拠点)
アジア太平洋:東京(3拠点)、大阪(3拠点)
南北アメリカ:メキシコシティ(1拠点)、サンパウロ (3拠点)
(今後さらに3拠点を発表する予定)
米国EquinixのCEOであるチャールズ・マイヤーズ氏は「Alibaba Cloud、Amazon Web Services、Google Cloud、IBM Cloud、Microsoft Azure、Oracle Cloud Infrastructureを含む世界最大手のCSPは長年にわたりエクイニクスと提携し、220を超えるデータセンターからなる当社のグローバルプラットフォームを活用して、戦略的ビジネスパートナーや顧客と直接接続している。当社のxScaleプログラムにより、これらハイパースケーラーは約1万の顧客からなるエコシステムに密接した環境下で、ビジネス成長を続けている。この度のジョイントベンチャーを通したxScaleデータセンターの追加投資によってオフバランスシートモデルで大規模な構築が実現できるため従来のIBXデータセンターやデジタルインフラストラクチャービジネスへの投資に必要な資本が節約でき、戦略的かつ財務的な柔軟性を保つことができる」とコメントを出している。
発表の主なポイント
- 世界32拠点に拡大するxScaleデータセンターは、フル稼働時600メガワット(MW)の電力量を供給できる予定。
- xScaleデータセンターを利用することでハイパースケーラーは既存のアクセスポイントにコア施策を加えることができようになる。単一プラットフォーム上で世界中の63都市圏に即座に展開でき、活気に満ちたエコシステム内の顧客や戦略的ビジネスパートナーと直接相互接続することができる。
- Platform Equinixは、唯一プライベートオンランプ(接続拠点)の40%以上を世界トップクラスのCSPに提供している。エクイニクスのプラットフォーム上におけるハイパースケーラーの運用拡大に伴い、同プラットフォーム上でエコシステムを形成している約1万社の企業もまた、ハイパースケーラーと近接した場所で直接接続し、ビジネスのメリットを享受している。
- エクイニクスは、データセンターの持続可能性におけるリーダーであり、顧客のサプライチェーンをグリーン化している。エクイニクスの長期目標である100%クリーンエネルギーと再生可能エネルギーの利用は、世界中で再生可能エネルギーの利用範囲を大幅に拡大した。エクイニクスは、高いエネルギー効率基準を持つデータセンターの設計、構築、運用方法を進化させ続けており、すべてのxScaleデータセンターはLEED認証(または各地域の同等認定)を受ける。
- 発表されたJVプロジェクトは、規制当局の承認やその他の完了条件を待って、2021年中に完了する予定。
- JV契約では、GICが将来の合弁事業に対して80%の株式を保有し、エクイニクスが残りの20%の株式を保有することになっている。
Sturucture Researchのリサーチ部門責任者 (Head of Research) であるジャベツ・タン (Jabez Tan) 氏は「エクイニクスは、xScaleポートフォリオを基盤とすることで、今日のビジネスで選択されるITアーキテクチャとしてハイブリッドおよびマルチクラウドの採用をさらに加速するとともに、運用上の信頼性、グローバルなリーチ、および世界中の顧客にサービスを提供する上で重要で豊富なエコシステムへの相互接続に対するハイパースケーラーのニーズを満たすことができる」とコメントを出している。