クロックリカバリ機能強化で、64GFC PAM4光モジュール製造ラインのコスト削減に貢献【アンリツ】
データセンタ/LAN 無料アンリツは2月17日、BERTWave MP2110Aのサンプリングオシロスコープ機能を強化するため、光信号評価に必要なクロックリカバリの動作レートを拡張する25Gクロックリカバリレンジ拡張オプション(MP2110A-059)を開発し、販売を開始した。
同オプションにより、Fibre Channel規格に適合した64GFC PAM4光モジュールの光波形を、クロック信号が無い環境下で評価可能となる。アンリツは「この機能強化により、64GFC PAM4光モジュールの品質確保と製造ラインの簡素化、コスト削減に貢献する」としている。
開発の背景
現在、5GやIoTの普及を背景に通信トラフィックの増強が求められており、これらのトラフィックを支えるために世界的にデータセンタ増設が進んでいる。Intra-DC(データセンター内)のネットワークでは、ラック間、サーバとストレージ装置間などを接続するために、様々な光ネットワークが構築され、求められる光通信速度やインタフェースが異なる。これらIntra-DCのネットワークを支えるインタフェースの1つである64GFCは、すでに規格化が完了しているため、2022年から本格的に普及することが期待されている。今回開発されたMP2110A-059は、これらの市場要求を満たすため、64GFC光モジュールの測定をサポートしたという。
またEthernetでは400GbEの導入からNRZに代わってPAM4変調が採用され、Fibre Channelでも同様に64GFCからPAM4変調が採用された。こういった技術的な傾向がある一方で、PAM4変調ではNRZより性能マージンが少ないため、高確度な評価が求められる。
高確度な測定を実現するためには、被測定信号からクロック信号を抽出して測定する「クロックリカバリ」が必要となる。アンリツは400GbEに続き、64GFCでもクロックリカバリ機能を開発し、正確な測定を実現している。
製品概要
BERTWave MP2110Aは、通信信号の波形評価に使用されるサンプリングオシロスコープと、ビットエラーレート測定を行うBERTを1台に搭載可能な測定器だ。サンプリングオシロスコープはチャネル数などを選択することで多彩なシステムアップが可能で、必要な試験環境を柔軟かつ最適なコストで構築できる。高速な4チャネルの一括測定やパラレル測定では、製造現場でのスループットを改善できる。
対象市場・用途
対象市場:光モジュールと光伝送装置の製造市場。
用途:データセンタ、コアメトロネットワーク、4G/5Gモバイルバックホール、5Gモバイルフロントホールで利用される25G~400Gの光モジュール、光ケーブルおよびそれら構成部品の物理層性能評価。
伝送規格:Ethernet、eCPRI/RoE、CPRI、SDH/SONET、OTN、InfiniBand、Fibre Channel
光モジュール:CFP2/4/8、SFP28、SFP56、QSFP28、QSFP56、OSFP、QSFP-DD
ケーブル:AOC、DAC
デバイス:TOSA、ROSA、High-Speed Optical Engine、PHY、Driver IC