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エリクソン、5Gビジネスの成長促進のため5G RAN スライシングを導入

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 エリクソンは1月26日、通信事業者がカスタム化した5Gサービスを保証されたパフォーマンスで提供することを可能にする、無線アクセスネットワーク(RAN)用の5Gネットワークスライシングソリューションを発表した。

 今回商用提供を開始したエリクソン 5G RANスライシング は、1ミリ秒のスケジューリングで無線リソースを分配し、スライス上での多次元のサービス差別化対応をサポートする。これは、ダイナミックなリソース管理やオーケストレーションのためのエンドツーエンドのスライシング能力を強化し、様々なユースケースに必要な高品質のエンドユーザ体験を確保する。

 ネットワーク スライシングは、一つの共通インフラで異なるサービスタイプのための複数の論理ネットワークをサポートする。これは、強化ビデオ、車内接続、XRなどの5Gの収益機会を解き放つ主要なイネーブラーだ。エリクソンのレポート では、サービスプロバイダにとっての消費者向け市場規模は2030年までに7120億ドルになると推定している。企業セグメントにおけるネットワークスライシング単体での市場規模は2025年までに3000億ドルとなると予測される(GSMAデータ)。5Gの規模拡大により、サービス プロバイダは、クラウドゲーム、スマートファクトリー、スマートヘルスケアなどの革新的で収益率の高いユースケースをターゲットにして投資利益率を最大化しようとしている。
 エリクソンのネットワーク製品部門の総責任者であるパー・ナルビンガー(Per Narvinger)氏は「エリクソン 5G RAN スライシングは、スペクトラム効率が大幅に向上した無線アクセスネットワークのスライシングを提供するために、無線リソースをダイナミックに最適化する。私たちのソリューションが際立っているのは、迅速で効率的なサービス提供をサポートするエンドツーエンド管理とオーケストレーション機能を強化するからだ。これは、様々なユースケースで5Gの投資を収益化するために必要な差別化と性能保証をサービス プロバイダにもたらす。イノベーションプラットフォームとしての5Gで、お客様への価値提供を推進していく」とコメントを出している。

 ネットワーク スライシングは、主要な5G展開モデルの一つだ。エリクソンは、ビデオ支援遠隔操作、AR/VR、スポーツイベントのストリーミング用TV/メディア、クラウドゲーム、スマートシティ、Industry4.0と公共安全に関するアプリケーションなど、消費者セグメント、企業/産業バーティカル向けのユースケースを含む、5G RANスライシングのエンゲージメント活動を世界中で進めている。
 KDDI 執行役員兼技術統括本部モバイル技術本部長の要海敏和氏は「エンドツーエンドスライシングは5Gの投資を収益化する鍵であり、RANスライシングはそれを実現する。私たちのモバイルネットワークで異なるスライスに無線リソースを効率的に共有することで、RANスライシングはお客様が求める品質保証と遅延を実現する」とコメントを出している。

 スイスコム モバイル・マスマーケットコミュニケーション責任者のマーク・デュセナー(Mark Düsener)氏は「私たちは、エンドツーエンドのネットワークスライシングを適用する5Gの次のステージにむけて準備を進めているが、RANスライシングは性能保証の鍵となるものだ。異なるスライス上でネットワークリソースを効率的に共有することで、公共安全またはモバイルプライベートネットワークなどの多様な5Gアプリケーションに通信を提供できるようになる」とコメントを出している。

 ストラテジー・アナリティックス ネットワーク・サービス プラットフォームのディレクターのスー・ラッド(Sue Rudd)氏は「エリクソンは、QOS、OTA、リアルタイムを確保する内蔵の無線制御メカニズムを使い、1ミリ秒未満でダイナミックに無線リソースを分割するRAN スライシングで完全なエンドツーエンドソリューションを提供する最初のベンダだ。この真のエンドツーエンドなアプローチは、ポリシー制御のネットワークオーケストレーションと無線の最適化を統合し、本質的に安全な仮想化したプライベートなRAN スライシング を、“ハードスライシング”による 30~ 40%のスペクトラム容量の損失なしに提供することを可能にする。エリクソンのリアルタイムのダイナミックRAN スライシングは、エンドツーエンドスライシングによる収益性を高めてRANの不足を埋めるものだ」とコメントを出している。