国内で初めて、ノキアのクラウド型ローカル5Gソリューションのディストリビュータ契約を締結【ネットワンパートナーズ】
DX/IoT/AI 無料5Gの“利活用”にフォーカスし、導入や運用における技術的負荷を大幅に軽減
ネットワンパートナーズは1月25日、ノキアソリューションズ&ネットワークス(以下、ノキア)と、国内で初めて、クラウド管理型ローカル5Gソリューション「Nokia Digital Automation Cloud」のディストリビュータ契約を締結したと発表した。同日より、パートナー企業経由で同ソリューションの提供が開始される。
ローカル5Gへの期待が高まり、2020年12月に利用可能な周波数帯が拡大したことで、企業や自治体における実証実験が本格化しつつある。
一方で、企業や自治体からは、5Gネットワークの“利活用”にフォーカスし、導入や運用における技術的負荷は極力軽減したいという要望もある。
「Nokia Digital Automation Cloud」は、ローカル5G環境(プライベートLTE環境も対応)全体をクラウドから一括管理するソリューション。ノキアソリューションズ&ネットワークス 代表執行役員社長のジョン・ランカスターレノックス氏は「スマート工場、車両やロボットの自動制御、ドローンの活用など、デジタルトランスフォーメーションの推進において、ローカル5Gは大きな可能性を秘めている。『Nokia Digital Automation Cloud』は、プラグ&プレイかつサブスクリプション型で、簡単にプライベートモバイルブロードバンド環境を導入・運用可能にする。今回、ネットワークの知見・技術に長けたネットワンパートナーズとディストリビュータ契約を締結できたことで、パートナー企業様のエコシステムを大きな付加価値とした、日本におけるローカル5Gの利活用加速にさらに大きく貢献できると確信している」とコメントを出している。
「Nokia Digital Automation Cloud」の主な構成要素は次の通り。
専用の管理クラウド:複数拠点にわたるローカル5G環境を一括管理
5Gコアネットワーク(クラウドで管理、オンプレミスで機能):認証・セキュリティ、セッション管理、ポリシー制御、パケット転送等のネットワーク機能を管理・提供
5G無線基地局(オンプレミスに設置):導入規模に応じて、数十m~数kmまで幅広くカバー
エッジクラウド(オンプレミスに設置):5Gコアネットワーク及び各種エッジアプリケーションを稼働
利用企業の最大のメリットは、クラウド上の管理画面から、5Gコアネットワーク機能、5G無線基地局、エッジクラウドを、複数拠点にわたって一括管理することが可能な点だ。これによって、高品質なローカル5G環境を、初期投資コストを抑えつつ簡単・迅速に導入・運用可能になる。
また、パートナー企業のメリットは、ネットワンパートナーズの支援のもと、市場拡大が見込まれるローカル5Gビジネスに参入可能になる点だ。さらに、パートナー企業独自のエッジコンピューティング用アプリケーションも含めて提供することで、ローカル5Gソリューションに独自の価値を付加することが可能になる。
ネットワンパートナーズは、「Nokia Digital Automation Cloudを活用したパートナー企業独自のローカル5Gソリューションの実現に向けて、ノキアと連携して技術支援する。基地局システムの免許申請・電波測定、設計・構築、運用・保守においては、高い技術力とノウハウを持つパートナー企業と協業する。さらに、ローカル5Gと連携するソリューションとして、無線・有線ネットワーク、監視カメラ等のフィジカルセキュリティ、データ蓄積・分析等も併せて提供する」との考えを示している。
「Nokia Digital Automation Cloud」の特長
専用の管理クラウド:現地に赴くことなく、複数拠点にわたるローカル5G環境を簡単に一括管理できるWebポータル機能。
- ローカル5Gネットワーク全体の設定管理、通信状況の監視
- 全機器の性能監視・障害監視、ソフトウェアの管理(バージョン管理や遠隔からの更新)
- エッジクラウドのリソース管理、アプリケーションの配信
- SIMカードの有効化・無効化、個別SIMに対するQoS等の通信管理
5Gコアネットワーク:認証・セキュリティ、セッション管理、ポリシー制御、パケット転送等のネットワーク機能を提供し、管理クラウドやエッジクラウドと連携することで、利便性の高いアーキテクチャを実現している。
5G無線基地局:ローカル5G環境の導入規模・用途に応じて、ノンスタンドアローン方式(NSA方式)の28GHz(ミリ波)、及びスタンドアローン方式(SA方式)の4.6GHz(sub6)に対応した基地局を選択可能。
エッジクラウド:5Gコアネットワーク機能による各種通信処理とともに、ノキアが利用シーン別に用意した、次のエッジコンピューティング用アプリケーションを活用可能だ。これらは、Webポータルにカタログ形式で用意されており、クリック操作だけでインストールが完了する。さらに、API連携によって、サードパーティ製のアプリケーションも活用可能だ。
- 作業者同士の円滑な対話を実現するトランシーバーシステム(音声/映像)
- 産業用ネットワークプロトコル(Profinet)を用いる生産設備との連携
- IoTデバイスをクラウドから効率的に管理・監視する「Microsoft Azure IoT」との連携
- 屋内の設備資産に対する高精度な位置情報管理(将来リリース予定)
また、5Gコアネットワークとこれらのアプリケーションを稼働させるエッジコンピューティング用ハードウェア(サーバ)は、必要なネットワークの帯域や接続する基地局数に応じて適切なスペックを選択可能だ。
「Nokia Digital Automation Cloud」の価格体系
初期費用:オンプレミスに設置する、5G基地局やエッジクラウド等のハードウェア
サブスクリプション:管理クラウド及び5Gコアネットワーク機能