協和エクシオとJICT、インドネシアにおける 屋内通信インフラシェアリング事業への出融資を決定
モバイル/無線 無料協和エクシオと海外通信・放送・郵便事業支援機構(以下、JICT)は1月18日、インドネシアにおける屋内通信インフラシェアリング事業※を展開する協和エクシオの現地法人子会社に対し、その事業の拡大を支援すべく共同で出融資を行うことを決定したことを発表した。JICTは協和エクシオの現地法人子会社に対して最大約22億円相当の出融資を行うことについて、同日に総務大臣の認可を得ている。
※屋内通信インフラシェアリング事業:通信トラヒックニーズの高い施設に、通信キャリアに代わり屋内アンテナ設備などを構築し、同設備を運用メンテナンスとともに複数通信キャリア向けにニュートラルに提供するサービス。
近年、世界第4位の人口を誇るインドネシアにおいても4Gスマートフォンが普及しデータトラヒックが飛躍的に増加している。また、屋外基地局の整備も十分ではないことから、屋内において電波が届きにくいエリアも散見される。加えて、スマートフォン等のスマートデバイスを活用した通信の大半がオフィスビル、ショッピングモールなどの商業施設、集合住宅などの屋内で利用されていることから、屋内の通信インフラ整備の重要性は一段と高まっている。さらに、次世代通信である5G・6Gは4Gと比較し1通信インフラ当たりのカバーエリアは狭くなるため、電波が届きにくいエリアが増加することが予想される。このため、通信技術の高度化は屋内通信インフラの重要性を更に高めることになる。
一方で、通信キャリアにおいては、資産圧縮や効率化を進めており、厳選した戦略投資を行うと同時に、通信タワーを始めとしたアセットのオフバランス化を進めている。従来は屋内通信インフラも通信キャリア各社が単独で整備していたが、近年は単独での整備は行わずシェアリングサービスを利用する方針に変わりつつある。このため、先進国・途上国、屋外・屋内を問わず、通信インフラシェアリング事業は拡大が続いている。特に、東南アジア各国は通信インフラの普及度において、また、日本はシェアリングサービス利用型インフラの割合において、事業の拡大余地が大きいと考えられている。今回の発表は当該潮流に沿ったものであり、事業の更なる飛躍が期待される。
協和エクシオの現地法人子会社は、エクシオグループの通信インフラ設備の構築事業で培った技術・ノウハウを活用し、 現地通信キャリアから既に高い評価を得ており、本件出融資により、インドネシアにおいて最大規模のリーディングカンパニーへ躍進することになる。さらに今後は、東南アジア各国へ本ビジネスモデルを展開し、日本へのシェアリングサービスノウハウの逆輸入も視野に、「アジアにおける屋内通信インフラシェアリングプロバイダーNo.1」を目指して事業の運営を進めていくとしている。
今回の発表は主に4G設備を対象とするものだが、協和エクシオは「本件で整備する4G屋内通信インフラを基盤として、将来的にはインドネシアにおいて日本のオープンかつセキュアな5G技術の展開を視野に入れる」との考えを示しているので、日本経済の成長に寄与することも期待できる。
JICTの支援決定の概要
対象事業:屋内通信インフラシェアリング事業
対象国:インドネシア
JICT支援決定額:最大約22億円
日本側出資者:協和エクシオ
投資実行時期:2021年1月(予定)