NEC、パラ大学祭にて「施設IoT・混雑状況可視化サービス」実証実験を実施
DX/IoT/AI 無料NECは12月9日、NEC玉川ルネッサンスシティホール(神奈川県川崎市)で12月13日に開催される「第2回パラ大学祭」にて、安全・安心なイベント運営を実現する「施設IoT・混雑状況可視化サービス」の実証実験を行うと発表した。
背景
新型コロナウイルス感染症の拡大が人々の暮らしや経済活動に大きな影響を与えている中、人々が集まる場所ではより一層の安全対策が求められている。
人々が多く集まるイベントでは、感染症対策を万全にし、来場者が集まりたいと思える安全・安心な環境作りが課題となっている。
今回開催される「第2回パラ大学祭」は、様々な大学の仲間たちが集まり、パラスポーツの日常化を目的に行われる大学生のための運動会だ。特定非営利活動法人ディーシップスミニが主催となり、セレスポ、ソフィアオリンピック・パラリンピック学生プロジェクト「Go Beyond」が共催として開催される。計11校の大学が参加し、ボッチャや車いすバスケットボール、車いすリレー、大学生がワークショップでつくったオリジナルスポーツの計4種目の競技を実施する。
NECは「本イベントで、映像分析技術を用いた“施設IoT・混雑状況可視化サービス”を活用し、会場で人が密集する可能性のある場所を可視化することで、来場者やスタッフに対して安全・安心を提供するイベント運営に貢献する」としている。
実証の概要
会場の休憩場所付近に設置したカメラ映像から、混雑状況を可視化し、スクリーンに混雑度を3段階で表示することで来場者に密集回避を促す。
同サービスの特徴として、小型のエッジコンピュータでも処理可能な軽量な混雑認識モデルを使用している。そのため、ハードウェアスペックや消費電力を抑えた導入が可能になる。
同実証に活用したサービスは、ネットワークカメラ・専用カメラ・モバイル回線・クラウド・WEB画面をイベントに合わせて組み合わせることで、柔軟かつスピーディに提供することが可能だ。NECは、このような実証を経て、年度内を目途に「施設IoT・混雑状況可視化サービス」のネットワークカメラとの連携の正式対応を予定しているという。
NECは2020年度までの3カ年の中期経営計画「2020中期経営計画」において、セーフティ事業をグローバルでの成長エンジンに位置づけている。今回の実証実験は、「NEC Safer Cities」実現に向けたソリューションやサービスの開発を加速・強化するものであり、安全・安心なイベント運営に貢献していくという。
実証で使用するカメラ映像データの取扱いについて
来場者の映像データは、今回の実証向けに新たに設置したカメラのみで撮影しており、個人を特定する利用を一切行わない。プライバシーについて十分に配慮し、個人情報保護法や関連法令を遵守した上でデータ分析に利用し、外部の機関に共有されることはない。また、撮影した映像の録画は行わず、取得したデータ等はその場で消去されるという。
NECは「本イベントに特別協力し、パラスポーツの推進に安全・安心のソリューションの提供を通じて貢献していく」としている。