FXCは11月30日、 ロードバランサ （負荷分散装置）の進化系である ADC の世界的ベンダーである Kemp Technologiesが提供する、通信帯域ベースのライセンス「SPLA」の販売を開始した。

　SPLA（サービス・プロバイダ・ライセンス契約）は、サービスプロバイダ向けに提供するライセンスモデル。これにより第三者への ADC/ロードバランササービス提供が可能となる。インターネットを使ったサービスやテレワークの増加で、サーバとアプリケーションの安定した稼働は一層重要になり、ADCやロードバランサの必要性が高まっている。その一方でサービスプロバイダにとって、ADC /ロードバランサでのサービス提供には、高価な機器の導入や高額な月次費用が必要となり、コスト面で大きな障害となっている。

　SPLA は仮想ロードバランサ（バーチャル LoadMaster）の 1 ユニット単位で料金を設定しており、月次で使用したユニット数に対して使用料が発生するサブスクリプションモデル。これにより、ユーザへのサービス価格とコストは常に正比例しており、余分な設備投資やライセンス購入の必要はない。サービスプロバイダにとって、SPLAはサービス提供するために、もっともリスクが少なくCapExを必要としない手段と言える。

　SPLAの契約で利用できるADCモデルは、Kempの主力モデルである仮想版 LoadMaster（VLMシリーズ）のすべての機能になる。また、LoadMasterシリーズは、サポート サブスクリプションの契約により、エッジ認証機能 (ESP)、GSLB機能、WAF機能の利用が限定されるが、SPLA の契約ではすべての機能の利用が可能であり、より充実した ADC / ロードバランサのサービスを提供することが可能になる。
　なお、SPLAでの利用可能モデルには、サービスプロバイダのメニューに幅広く対応するために帯域別に以下の4 種類の帯域モデルとGSLB に特化したモデルが用意されている。

　FXC 代表取締役の谷輪重之氏は「今回発売を開始するインターネットサービ ス事業者向けのサブスクリプション製品SPLA(サービス・プロバイダー・ライセンス契約)は、安価な提供が難しかった負荷分散やADCサービスをリーズナブルな価格で提供可能にする画期的なライセンスモデルだ。サービスプロバイダは競合の激しい ホスティングサービスに対して、可用性の強化や輻輳するトラフィックの軽減などの付加価値サービスを、高額なADCの初期投資をせずに、タイムリーにサービスを開始することができる。Kemp Technologiesは時代の要請に基づきサブスクリプションによるCAPEXの削減、さらにはKemp 360という自動化と監視を容易にするツールによりOPEXの低減にも寄与する。コロナ禍によるインターネット利用の増大でサーバ強化や負荷分散の要求が高まっている。このような環境の中、FXCはサービスプロバイダ事業者向けに新世代のサブスクリプション形式によるライセンス製品の提供を決断した。FXCはこれまでのビジネスに加えて、新たなサービスモデル提供し、コミュニケーションの多様化・高速化・容易化に貢献していく」とコメントを出している。