コストと実装スペースを削減した、車載ネットワーク向け光トランシーバ【KDPOF】
DX/IoT/AI 無料トランシーバIC、光電回路、光学素子を内蔵することでコストとサイズを大幅に縮小
KDPOF は11月23日(マドリッド) 、新型光トランシーバ(FOT)のKD7051 を発表した。これはトランシーバ IC、光電回路、光学素子を内蔵した、初の車載光ネットワークデバイス。この内蔵型FOTは、単体コンポーネントで100Mbpsの光ポートとなっている。
KDPOF CEO・共同創立者のCarlos Pardo氏は「ASIC IC 、フォトダイオード、LED を単体のデバイスに構築することで、100 Mbpsの車載イーサネット接続のコストと実装スペースを大幅に削減することができる」としており、「部品の数を減らすことにより、テストや認証の手間も削減することができる」とコメントを出している。
KDPOFは「この新しいKD7051 は、STP配線と比較して、全体の費用を大幅に削減することもできる。さらに、サプライチェーン間の余分な手間をなくし、サプライチェーンの簡素化もできる。結果として、電磁適合性(EMC)やガルバニック絶縁のような厳しい関連にも対応できる価格を提供できる。アプリケーションとして、バッテリ管理システム、カメラ・センサリンク、高速イーサネットリンク、スマート アンテナ リンク等がある」としている。
新しくなった物理層
KD7051は、全く新しいFOTデザインだ。低コストMEMSカプセル化を再利用することで、8x7mm LGAコンポーネントのSMD リフロー アッセンブリが可能になっている。電磁波から保護するため、FOTにはシールド加工が施されている。トップに配置されたシンプルなプラスチックコネクタによりファイバ接続される。許容温度は、–40 °C から +105 °Cと広く、厳しい車載環境要件に対応できる。振動クラス V2 を有しており、エンジン要件にも耐えることができる。また、デバイスはシーリングなしで耐水性を有している。PCVコンポーネントにシールドが内蔵されているため、ECU シールドケースを取り除いても高いEMC(電磁適合性)を保持している。PCBへのFOTおよびICのアッセンブリは簡素化されている。光学素子は、Tx および Rx レンズが含まれている。現在、第一プロトタイプがリリースされている。
シンプルな実装
大きな直径を有するプラスチック光ファイバ(POF)は、製造および装備のためのコスト効率が非常に良いことが特徴だ。プラグ&プレイで簡単に装備、使用開始することができ、巻線やクランプの取付けも、銅線と同様に簡単だ。さらに、車両の組立てにおいても、光ファイバハーネスを銅線ハーネスと同じプロセスで装備することができる。POF は既に 10年以上も車載マテリアルとして存在しており、多くの車両に搭載されている」としている。