光通信、映像伝送ビジネスの実務者向け専門情報サイト

光通信ビジネスの実務者向け専門誌 - オプトコム

有料会員様向けコンテンツ

共同受信施設の新4K8K衛星放送向けにVPOF(プラスチック光ファイバ)システムを発売【マスプロ電工】

映像伝送/CATV 無料

 マスプロ電工は11月5日、中小規模の共同受信施設向けに3224MHzまで伝送できる、新4K8K衛星放送に対応したVPOFシステムを11月初旬から受注を開始すると発表した。

開発の背景と意図

 新4K8K衛星放送の開始とともに電波法の無線設備規則が改定された。これまで放送がなかった2400MHz(2.4GHz)帯は、新4K8K衛星放送の放送開始により、無線LANなどの通信機器との電波干渉が起こり、通信に妨害を与えたりテレビ電波の受信不良になる可能性がある。光ケーブルは通信などとの電波干渉が原理的に起きないことから、新4K8K衛星放送の伝送に有効だが、従来の光伝送システムは専門性が高く取扱える施工業者が限られていた。
 そこでマスプロ電工は、”光伝送をもっと身近に”をコンセプトに、簡単に加工ができるプラスチック光ファイバを使用した共同受信システム、VPOFシステムを開発した。VPOFケーブルは、ガラス系光ファイバと比べて曲げ耐性に大変優れており取扱いが簡単だ。さらに、光送信機には、比較的安価なレーザダイオードが光源として使用可能なため、機器の低価格化を実現した。同社は「VPOFシステムで、従来よりも簡単、安価に光伝送システムを構築できる。中小規模の集合住宅や戸建て、電磁波との干渉による電気・電子機器の誤作動を防止したい医療関係施設、また、設備が古く新4K8K衛星放送対応化の改修工事が困難だった施設でも、導入を可能にするアイテムとして提案していく」との考えを示している。

光送信機、光受信機の主な特長

3224MHz伝送に対応:周波数は3224MHzまで伝送できるので、新4K8K衛星放送の視聴に対応した共同受信システムを構築可能。

設置方法によって選べるタイプ:光送信機は1出力型と8出力型が選べる。また、光受信機は、手軽に設置できる卓上型と、直列ユニットと同じように壁面に埋め込んで使用する壁面端子型から、設置方法が選べる。

優れたシールド性能:光送信機、光受信機はCATV、UHF、BS・CSの全帯域で不要放射30dBμV/m以下の優れたシールド性能を有しており、無線LANなどの通信機器などとの混信や電波障害に強いシステム構築ができる。

VPOFシステムは、テレビ受信システムで使用するUHFまたはCATV(下り)と、新4K8K衛星放送を含めたBS・CS(右左旋偏波)をプラスチック光ファイバにより伝送できる。

VPOFシステムの概要

伝送損失が低い:同軸ケーブルに比べて基本的に低伝送損失で、また、伝送周波数帯域が広く、周波数による伝送損失の差がほとんどないため、高い周波数を使用する新4K8K衛星放送の伝送に最適だ。


高い施工性:ガラス系光ファイバのような高額・高精度の施工工具が不要で、専門性の高かった光ファイバ施工のハードルを低減。また、ケーブルの曲げ耐性が高く柔らかいため、取回しがしやすく施工性に優れ、マンションなどのリニューアル工事にも最適だ。


高い施工安全性:ケーブルはプラスチックなので、やわらかく、指に刺さらない。また、折っても割れないため安全に施工できる。


高い耐妨害波特性:EMC特性が高いため、電磁波の影響を受けにくく、電気的な影響も受けない。また、電波漏洩が極めて少なく、同じ帯域を使用する無線LANなどの無線機器や電子レンジなどとの電波干渉が無いので、安定した信号品質で伝送できる。