ノキアは9月16日(エスポー)、世界の 5G ネットワーク実装を100%デジタル化し、世界中のユーザに高品質で機敏で、トランスペアレントなネットワークを提供できると発表した。(本抄訳は9月28日に日本法人が発表)
　デジタル化、機械学習、およびオートメーション化によって、ノキアはネットワークインフラの実装を簡素化する。これにより、通信事業者にとっては、市場投入までの時間が短縮され、5G 投資の収益率が向上する。

　従来のネットワークの実装では、紙ベースとデジタルの両方のドキュメントを組み合わせて使用するため、エラーが発生したり、非効率性になることがあった。ノキアは、デジタル・プロジェクト・オーケストレーションとデータ・インベントリにより、ネットワークの実装を迅速かつコスト効率に優れた方法で実行できるようにし、機敏性に対する顧客からの要求に応え、新しいサービスをより迅速に市場に投入できるようサポートしている。これにより、サイト訪問が30%削減されただけでなく、インストールの品質の30%向上、バックオフィス・トランザクションの 30%の改善、サイクル・タイムの25%の向上にもつながっている。

　ノキアは「5Gネットワークの実装を完全にデジタル化することで、よりシンプルで迅速、効率的、かつ高品質なサービス提供を可能にしている。ノキアの業界初のデジタル実装サービスは、プロジェクトのあらゆる段階に透明性をもたらすことで、世界中の100以上のお客様をサポートしてきた」としている。

　実装のデジタル化を行うことにより、通信事業者は、ネットワーク・アセットのデジタル・データベースを提供することで、アセットを簡単かつ包括的に管理できる。ネットワーク・アセットのデジタル・データベースは、サイトへのリモートアクセスおよび仮想アクセスに使用でき、アセットのアップグレードと拡張が非常に容易になる。さらに、紙を削減することで CO2 の排出量を最小限に抑え、年間約1,500 本の木に相当する紙を節約できるため、実装の持続可能性が高まる。
　主なデジタル展開サービスは次のとおり。

• ワークフロー・オーケストレーションの自動化により、適切なスタッフと適切な機器を適切なタイミングと場所 に導入できる。
• サイトのデジタル・データベースによるテクノロジーの進化とアップグレードの高速化により、サイトへのリモート・ アクセスが可能になり、通信事業者は 360 度の仮想ビューを利用することができる。
• 人工知能と機械学習を駆使したツールにより、自動解析によってリアルタイムで欠陥を特定することができる。
• 透明性とプロジェクト管理の効率性を高めるリアルタイムのプロジェクトダッシュボード 。
• ドローンを駆使したサイト訪問により、材料の在庫を1インチの精度まで削減し、サイト構築を「初めて適切に」完了することができる。

　ノキアのデジタル化による実装は、AI ベースのイノベーションのパワーを活用して、大規模な効率化をさらに向上させるために継続的に進化している。インテリジェントな欠陥認識は、優れた機械学習ベースのアルゴリズムを使用して、実装前後の画像や動画コンテンツの自動解析によって、リアルタイムで欠陥を識別する。また、特定の機器を設置するためのスペースが利用できるかどうかに関するフィードバックをインテリジェントに提供するため、実際にサイトを訪問する必要がない。

　ノキアのグローバルサービス部門プレジデントであるサンジャイ・ゴエル氏は「今日、多くの通信事業者は、次世代5Gネットワークの設計、構築、および管理方法が断片的になっていることに苦慮している。オートメーション化、AIの採用、およびアセットのデジタル化は、通信事業者が5Gの可能性を最大限に引き出すために行っている、デジタル・トランスフォーメーションへの移行において不可欠なステップだ。世界中のお客様がより高速で、より持続可能で、より高品質のネットワークの実装プロセスからメリットを得られることを目的として、ノキアは実装の100%デジタル化というマイルストーンに到達した最初の企業であることを非常に誇りに思っている」とコメントを出している。
　TBRの主席アナリストであるクリス・アントリッツ氏は「ノキアは、サイト開発の全ワークフローに渡って、デジタル化されたネットワーク実装サービスを提供している。それは、デジタル・トランスフォーメーションへの移行に対するコミットメントと、デジタル・トランスフォーメーションとともに進化することを表している。ノキアの顧客は、インフラ実装サービスにおいて、デジタル化関連のイノベーションから大きなメリットを得ることができる。これにより、品質と速度が向上し、5Gネットワークの実装に関連する総保有コストが削減される」とのコメントを出している。