5Gの実験試験局を9月に開設予定、企業向け5G事業展開に活用【日立情報通信エンジニアリング】
モバイル/無線 無料実験試験局を開放し、ユーザと協創加速および中井町と共同で5Gによる地域活性化を推進
日立情報通信エンジニアリングは7月22日、Society5.0を支えるICTインフラ整備において基盤となる、5G通信ソリューションの事業展開に向けて、パートナーやユーザが、企業・事業所のコミュニケーション基盤となるローカル5G、自営BWAが体験・検証可能な実験試験局(場所:同社中井事業所)を9月にオープンする予定だと発表した。
同社は「実験試験局をパートナーとのサービス事前連携の検証やお客さまへのデモンストレーションなどに活用いただき、より深く5Gを活用したデジタルサービスの開発・検証支援を行うとともに、当社も工場やヘルスケア向けIoTなどのソリューションサービスの価値向上への取り組みを加速させる。また当該事業所の地域自治体である神奈川県中井町(杉山祐一 町長)と、ローカル5Gを活用した地域活性化の取り組みについて共同で検討・推進していくことに合意した」としている。
2020年は5G元年とされ、2020年4月より、通信キャリア各社の5Gサービス開始に伴い、大容量、低遅延、多接続の特長を生かしたさまざまな5G活用ソリューションが登場してきた。
また新型コロナウイルス感染拡大防止に向け、企業における働き方改革としてテレワークの普及や、無線通信を活用したサービスへの期待など、さまざまな分野で次世代通信技術のプラットフォームが脚光を浴びている。また、通信規制緩和により、通信キャリア以外でも5Gの自営網構築が可能となり、独自の5G基地局の開設が可能になる。これにより、さらに多くの分野で利用されることで、多様化が進むと考えられる。
同社は、通信コミュニケーションの分野において構内交換機(PBX:Private Branch eXchange)の販売と、Cisco社製商材をはじめとした無線通信機器を活用した企業内無線ネットワーク構築を事業としてきた。この事業で長年培ってきた経験と実績を生かして、次世代通信技術である1.9GHz周波数帯の自営通信用規格sXGP、自営BWA(Private-LTE)、ローカル5Gなどの5G関連規格対応とWi-Fi6/Wi-Fi6Eも含めた企業向けネットワーク環境を一括して提供するソリューションを展開していくという。
各企業でローカル5Gを活用した自営網を構築する場合、免許取得に関する電波測定や免許申請、先行する自営BWAの運用者や地域BWAの通信事業者との調整など、多くの手続きが必要だ。同社では、これらの手続きをユーザに代わって、免許取得の代行から構築・保守運用までワンストップによるプラットフォームの構築ソリューションとして提供していくという。
また、同社各種業種向けソリューション商材での5G活用による付加価値の向上を進めていくという。
同社は企業向け5G事業開始に向けて実験試験局の開設免許を取得し、中井事業所(神奈川県中井町)に自営網による実験試験局を9月にオープンする予定だという。この実験試験局では同社商材のシステム実証をはじめ、今後も発展する5G関連の新規格に対応した設備を随時拡張していく予定だ。またローカル5Gを活用したさまざまなサービス提供を検討しているサービス事業者や、自営網によるコミュニケーション基盤の構築、自社工場向けのIoTシステムも含めた無線ネットワークの統合化などを検討しているユーザに、同社ソリューションを体験・検証する場として、活用することを計画しているという。
また、同社中井事業所の地域自治体である神奈川県中井町と、自治体でのローカル5G活用による住民サービスなどの立ち上げに向け、連携して検討することで合意した。今後、神奈川県中井町とサービス事業者を含めた協創活動により、中井町の工業団地や公共施設でのローカル5G活用による地域経済や社会的効果、地域課題解決に向けた検討を共同で進め、地域の活性化に貢献していくという。
神奈川県中井町 町長の杉山祐一氏は「5Gなどの最新技術を活用することで、地域活性化や住民サービスの向上を目指す。日立情報通信エンジニアリング様と連携して、地域課題解決を図り、魅力あるまちづくりを進める」とコメントを出している。