ノキア、エンタープライズ顧客向けに初の商用5Gスタンドアロン(SA)自営用無線ネットワークソリューションを発表
DX/IoT/AI 無料 ノキアは7月22日(エスポー)、新しい5G SAの産業用グレードの自営用無線ネットワーキングソリューションを全世界で商業展開したことを発表した。これにより、最も要求の厳しい産業用および製造用のユースケースのニーズを満たすようなロードマップが提供される。
ノキアは「5G SAの導入により、市場で最も包括的なE2Eのハイパフォーマンスな4.9G/LTEおよび5Gの自営用無線ネットワークソリューションを提供する」としている。
ノキア・エンタープライズ プレジデントのラガヴ・サーガル氏は「5G SAの導入により、世界クラスの自営用無線ソリューションのラインアップで、エンタープライズのお客様に対する新標準を確立し、エントリーポイントや接続性の要件に関係なく、デジタル化のニーズを満たすことができる。自営用無線の接続は、お客様が長期的なデジタル・トランスフォーメーションの目標を実現するうえで中心的な役割を果たす。5G SAを提供することで、自動車製造のような最も要求の厳しい用途においてデジタル化を加速する道を切り拓く。このような用途では、クラウド、ロボット、および自律的な機械操作によって、信頼性の高い低遅延と高通信速度が非常に重要な要求となる」とコメントを出している。
5G SA自営用無線ソリューションの開発を通じて、ノキアは2020年の第1四半期以来、顧客およびモバイル事業者パートナーとフィールドテストを実施してきた ノキアは、企業向けの自営用無線に関して全世界で180社以上の顧客を持ち、そのうち30社以上は5Gを契約している。ノキアは最近、ドイツ鉄道、ルフトハンザ・テクニークおよびトヨタプロダクションエンジニアリングといった会社に対して5Gの自営用無線を導入することを発表している。
ノキアの新しい5G SA ソリューションにより、エンタープライズのユーザは、自動化を有効にできるコンパクトなプラグアンドプレイシステムであるNokia Digital Automation Cloud を導入するか、Nokia Modular Private Wireless を使用してネットワークをさらにカスタマイズするか、どちらかを選択できる。
今回、ノキアは、Sandvik Mining and Rock Technology 社がフィンランドのタンペレに所有する試験鉱山に、ノキアの5G SA の自営用無線ネットワークを導入することも発表した。
Sandvik Mining and Rock Technology のRock Drills and Technologies 部門のプレジデントであるパトリック・マーフィー氏は「Nokia Digital Automation Cloud にノキアの5G SA 自営用無線ネットワークを導入することで、タンペレの試験鉱山でまったく新しい種類の画期的な能力を示すことができる」とコメントを出している。
ノキアは「お客様と協力して、お客様の業務のデジタル化に向けてテクノロジーを活用できるようサポートし、5G の導入により、ロボティクス、リモート業務および自動化業務、全車輛の自動化、アナリティクス、および安全性の向上といった新たな機会への扉が開かれる。このように、採鉱のデジタル・トランスフォーメーションのブレークスルーを実現する」とコメントを出している。
ノキア・エンタープライズ プレジデントのラガヴ・サーガル氏は「4.9G/LTE の用途の85%以上は産業用だが、しばらくの間、自営用無線ソリューションの最も大きな用途になるだろう。今回の発表では、両方のメリットが提供される。4.9G/LTE から始めて、エコシステムの成熟に合わせて5G に進化させるか、あるいは、『5G に直接』進化させるか、これらの選択肢をお客様に提供している。つまり、テクノロジーを検証し、OEM および産業用のアセットベンダーが5G エコシステムの成長を促す」とコメントを出している。
Omdia 社の自営用ネットワーク担当主席アナリストであるパブロ・トマシ氏は「運輸や製造などの業界で成功するためには、携帯電話のエコシステムは、現在の課題と長期の画期的なトレンドの両方に対応できるような魅力的なサービスを提供する必要がある。自営用ネットワーク市場は、自営用LTE による信頼と結果に基づいてつくられるが、企業、ベンダ、およびサービスプロバイダは、5G の本当の可能性を理解し、それを戦略に組み込む方法を今すぐに理解する必要がある。ノキアは、5G SA 自営用ネットワークを提供することで、企業向け5G エコシステムの成長を促す重要な役割を担っている」とコメントを出している。
ノキアは、商業用の自営用無線5G SA の導入によって、OEM およびエコシステムパートナーによる5G 機能の検証を加速させている。これにより、5G 対応の産業用アセットの開発が始まり、アプリケーション開発が加速され、5G が将来の産業プロセスおよびシステムに統合される。
ノキアは、サービスプロバイダ、クラウドパートナー、システムインテグレーター、戦略的コンサルティング、業界の専門家などを含む自営用無線ネットワークエコシステムと協力するだけでなく、垂直的な専門知識を活用して、業界固有のユースケース全体に渡って5Gの革新的なメリットを提供する。
3GPP R15 SA アーキテクチャが業界の自営用5G の基準を提供することで、ノキアの5G SA 自営用無線は、将来、業界に関連した機能が有効になり、そして改善が可能になる主要なプラットフォームとなっていく。これらには、超高信頼・低遅延通信(URLLC)、タイム・センシティブ・ネットワーキング(TSN)、および将来の5G 3GPP リリース(R16-18)で提供されるその他の多くの産業用機能が含まれる。
今回の発表では、ドイツ、日本、英国などの市場のニーズにも対応している。これらの国は、5G の周波数帯が利用可能であるため、5G テクノロジーとその関連エコシステムを早期採用するための基盤となっている。
ノキアはまた、4.9G/LTEソリューションのポートフォリオの強化も発表した。
- 世界初のBand 87(410MHz)の無線サービスが開始。重要なIoT CSP、パブリックセーフティ、交通機関、公共事業を横断して、全国的な自営用無線のカバレッジの可能性が広がる。
- TD-LTE config 0 の上りリンク帯域幅が増加。動画およびマシンベースでの自営用無線に使われる上りリンクが改善されます。
- 自営用無線ソリューションでの4.9G/LTE スライシング のサポートが拡張され、仮想E2E スライスの割り当てが可能になり、特定の使用例で高パフォーマンスのKPI が保証される。