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熱中症予防IoTソリューションの提供開始【フジクラ】

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独自開発の「暑さ指数」を監視するシステムで熱中症の未然防止に貢献

 フジクラは6月25日、熱中症予防のために活用される暑さ指数(WBGT)を、自社開発の色素増感太陽電池を搭載した、電源線・通信線が不要な完全配線レスのセンサノードで計測し、その「みえる化」や警報の発報を行う熱中症予防IoTソリューションの提供を開始した。

背景・課題認識

 近年、熱中症救急搬送者の増加は暮らしの安全に関連する大きな課題となっている。関係省庁や自治体においてもその解決に向けた取り組みがより活発化しており、暑さ指数の計測・活用など各種の方策が検討・実施されている。熱中症発症リスクの大小は環境に大きく依存するものであり、例えば学校や工事現場、介護施設内といったとりわけ注意を要する場所にあっても、それぞれで環境は大きく異なるため、個々の場所に応じたきめ細やかな実測による暑さ指数の把握が、熱中症の未然防止の観点で重要となる。
 フジクラは「この課題を解決するために黒球付き暑さ指数センサノードを開発し、暑さ指数を『みえる化』するとともに、その監視を行い、計測値が閾値を超え熱中症発症のリスクが高まった際にアラームを発して周知する熱中症予防IoTソリューションを開発した」という。

熱中症予防IoTソリューション システム構成

特長

センサノード
 開発されたセンサノードは、自社開発の環境発電デバイスである色素増感太陽電池(DSSC)を搭載することから、一定の照度があれば自立電源駆動が可能であり、且つデータ伝送は920MHz帯の無線通信で行うため、電源配線や通信配線工事が要らず簡単に設置が可能だ。これによって短い工期で設置が可能なために導入コストを低く抑えられ、電池交換に要するメンテナンスコストも大幅に圧縮が可能だ。
 また、輻射熱を測定する黒球温度センサの搭載により、正確なWBGT測定(JIS B 7922 クラス2準拠)を実現しています。この黒球温度センサはセンサノードと一体化することで、設置時の煩雑さを低減しただけでなく、導入費用のさらなる削減も可能にした。
 データ伝送には、障害物回避性能が高いマルチホップ通信モデルと数百m~10kmの長距離通信が可能なLoRaWANTM通信モデルが用意されているので、設置環境に最適な無線方式を選択できる。

左:屋内用。右:屋外用。

「みえる化」クラウドアプリケーション
 同時に、熱中症予防に有効に活用いただける「みえる化」クラウドアプリケーションも提供されている。このアプリケーションを用いることで、インターネットを介して、センサノードを設置している複数拠点からの現在および過去の暑さ指数データを、管理端末画面上でいつでもどこでも閲覧することができる。また、暑さ指数が設定した閾値を超えると、管理端末画面の表示色の変化・警報音・メールによるアラーム発報をタイムリーに行う機能を備えており、関係者に迅速な行動を促すことも可能だ。

「みえる化」画面例(学校での例)

 フジクラは「当社は、熱中症予防IoTソリューションとして、高い性能を持つ機器ハードウエアから、それを最大限活用できるクラウドサービスまでをトータルでご提供していくことで、熱中症の未然防止に貢献していく」としている。