最適設計支援ソフトウェア「Optimus」最新バージョン2020.1リリース【サイバネット】
テレコム 無料 サイバネットシステム(以下、サイバネット)は6月17日、グループ会社であるNoesis Solutions NV(以下、ノエシス)が開発し、サイバネットが販売・サポートする最適設計支援ソフトウェア「Optimus(オプティマス)」の最新バージョン「Optimus 2020.1」の提供を開始した。
Optimusは、構造、熱、流体、電磁場、音響、公差、制御、光学、電気など様々な分野のCADやCAEソフトウェアを統合化し、解析の自動化/最適化を行う最適設計支援ソフトウェア。自動車分野をはじめ、航空宇宙や精密機械などの様々な分野の開発プロセスにおいて活用されており、CAD やCAE を使用した製品開発の効率化、品質の向上を実現する。
今回のバージョンアップでは、新しい応答曲面法とマルチスレッドによる応答曲面モデル作成機能の搭載により、モデル精度の向上が期待できる。また、GUIの刷新により最適化プロセスにおける各フェーズの操作性を向上し、作業時間を短縮する。ダイレクトインタフェースには、モーターCADが新たに加わり、既存のインタフェースの機能拡張も行われている。
追加された主な新機能は次の通り。
精度の高い解析データが少なくても高品質な応答曲面モデルを作成
応答曲面法は、設計最適解の予測などを目的としてパラメータと性能の関係を近似曲面で表現する非常に有用な手法となる。応答曲面モデルの精度は、応答曲面作成に用いる実験データや解析データの精度と数に左右されるが、時間やコストがかかるため精度の高いデータを十分に確保するのは難しいのが現状だ。
今回新しく搭載された応答曲面法「Multi-Fidelity Kriging(マルチ―フィデリティ クリギング)」は、精度の高いデータが少ない場合でも、精度のやや劣るデータが多くあれば、これらのデータを融合して応答曲面モデルの精度を向上させることが可能だ。これにより、モデル作成にかかるコストを削減しながら、高品質な応答曲面モデルの作成を実現することが可能となる。
また、複数の処理を平行して進行させるマルチスレッドによるモデル作成が可能となった。最新のCPUのマルチスレッド機能を使用して、Multi-Fidelity Kriging、RBF(放射基底関数)、DNN(ディープニューラルネットワーク)、およびRVR(関連ベクトル回帰)による応答曲面モデル作成を高速化する。
電気機械設計の最適化を支援する新しいインタフェース
従来からある電気機器設計ソフトウェアとのインタフェース機能の拡張に加え、電気モーター設計ソフトウェア「モーターCAD」とのインタフェースを新たに搭載した。
世界をリードする設計ソフト「モーターCAD」とシームレスに連携することにより、エンジニアは「モーターCAD」の設計パラメータと解析結果をOptimusから操作/抽出できる。これにより、モーターの形状や性能を評価するコンセプト設計から最終的な電気機械の詳細設計に至るまでを統合した環境で最適化を実現できるようになり、設計期間の短縮が期待される。
作業フローに沿って必要な機能に高速にアクセスできる新GUI
モダンなデザインに刷新されたユーザインタフェースは、自動化/統合化→最適化→ポスト処理の作業フローに従って機能が整理された。従来バージョンでは画面上にほぼ全ての機能がアイコンとして表示されていたが、作業フェーズごとに必要なアイコンを配置し、必要な機能に高速にアクセスできるようになる。