シスコ、Cisco Webexの進歩と変革を発表
データセンタ/LAN 無料キャパシティの増強、セキュリティ強化、インテリジェント化、さらに遠隔医療への取り組み
シスコは6月17日、Cisco Webexの機能強化について発表した。セキュリティおよびコンプライアンス機能、一貫したユーザ エクスペリエンスを提供するためのインテリジェントで実用的なインサイト、Boxとの統合を含め、さらに、医療向けのEpicとの統合により、健康への鍵となる医療提供者との関わり方の選択肢を患者に提供する。
すべてのCIO(最高情報責任者)にとっての最優先事項は、人々がどこからでも業務を遂行できるようにするセキュアなコラボレーション テクノロジーであり、IT部門にはかつてないほど増加したテレワーカーのサポートと、オフィスへの復帰の計画の両方が同時に求められている。これらのニーズに対応するために、Cisco Webexに変革をもたらすという。
シスコは「長年にわたって市場をリードしてきたWebexは、ユーザの変化するニーズをサポートし続ける。この4月にはグローバルで5億人の会議出席者に対応し、会議時間の総時間数は250億分に達しました。これは通常の3倍以上のボリュームとなった」としている。
シスコ、コラボレーション グループ担当VP兼GM、ジャヴェド・カーン(Javed Khan)氏は「従業員、経営層、医療提供者などの人々の接続と生産性をよりセキュアに維持し続けることがシスコの中心課題だ。シスコは、新型コロナの感染拡大以前から世界最大のコラボレーション プロバイダの1つであり、世界のビデオ会議の半分近くをサポートしていた。現在は、通常の3倍以上のボリュームに対応している。最も必要とされる場面でユーザをサポートできたことを誇りに思う。これからも、困難な時期を切り抜けながら前進を続ける」とコメントを出している。
一層のキャパシティ
Cisco Webexは、病院、政府機関、高等教育、企業のライフラインとなった。常に需要の先を行き、ユーザが期待する品質を提供し続けるために、シスコは膨大なボリュームのグローバル キャパシティに投資してきた。実際に、Webexプラットフォームは現在、従来の3倍のキャパシティで稼働している。
一層のセキュリティ―接続および高い安全性と生産性を維持
テレワーカーの世界的な増加により、セキュリティとプライバシーが従来以上に重要となっている。世界最大のエンタープライズ セキュリティ企業であるシスコは、セキュリティ、プライバシー、透明性に取り組んでおり、その証としてCisco CollaborationはFortune 500企業の95%から信頼されている。Webexプラットフォームに組み込まれているセキュリティ機能をベースに、Webex Meetingsを拡張してデータ喪失防止(DLP)保持と訴訟ホールド(関連するすべての資料・情報を安全に保持する)に対応した。これにより、会議のすべてのコンテンツ(録音、文字起こし、アクション項目、ハイライト)のセキュリティと保護は、かつてないレベルに達している。これもWebex Meetingsが提供するもう1つの業界初のセキュリティ機能だ。さらに、エンドツーエンドの暗号化オプションを拡張し、GCMモードのAES 256ビット暗号化に対応した。これにより、会議データの保護と改ざんへの耐性が向上する。
増加したテレワーカーの管理とオフィスへの復帰に対応する新たな方法
CIOを対象としたシスコの新しい調査「CIO Perspectives 2020」によると、3分の2以上のCIOは、この困難な時期を切り抜け続ける上で、ITの複雑さが最大の課題であると考えているという。最優先事項として、「テレワーカーを最もうまくサポートする方法とは」「オフィス内により安全な会議環境を確実に用意する方法とは」などの質問が挙げられた。IT部門がこれらの質問に対応できるように、Cisco Webex Control Hubはインテリジェントで実用的なインサイトを提供する。これによりIT部門は、従業員が家庭にいるかオフィスにいるかに関係なく、すべてのコラボレーション ワークロードを一元的に管理できる。新型コロナ時代のControl Hubの主なユースケースは次のとおり。
音声アシスタント テクノロジー Webex Assistantをビデオ会議端末へ迅速に配備:Control Hubでは、数万台のデバイスがあっても簡単に配備することができる。これにより、人々が会議スペースでスクリーンやタッチパッドに触れる回数を最小限に抑えることができる。
スケジュール管理だけでなく、企業が将来のオフィス レイアウトを計画・変更する方法にも影響を与える会議室の利用状況に関する深いインサイト:最も使用される会議スペースを簡単に特定し、このデータに基づいて空いたスケジュールを利用者に連絡したり、ニーズに応じた会議スペースの構成方法の再考に役立てたりすることができる。
トラブルシューティング エクスペリエンスを改善し、オフィスへの復帰と移行中のワークスタイル パターンの変化を理解するための「リアルタイム会議」データのドリルダウン
組織が投資する必要のあるサービスとデバイスを特定するための使用傾向分析
容易なトラブルシューティングとテレワーカーのサポートによりチームの生産性を維持
さらに、現在置かれている状況に関係なく業務を前進させることができるように、Webex TeamsとBoxを統合した。Boxは、Fortune 500企業の68%と世界の100,000社近くの企業に利用されているクラウド コンテンツ管理プラットフォーム。Webex Teamsには安全性に優れた使いやすいファイル共有機能がすでに備わっているが、ユーザがBoxや、統合されている他の任意のプラットフォームの使用を選択できるようになる。
患者と医療提供者の両方にとって等しく遠隔医療を容易にするEpicとの統合
遠隔医療が急速にメインストリームになったことで、医師は物理的な距離を保ちながら患者にケアを提供できるようになった。Epic電子カルテ ソフトウェアとの新たな統合により、医療提供者はWebex Teamsを使って患者のビデオ訪問、病歴の確認、診断文書の更新を行えるようになる。患者は何もダウンロードする必要はなく、Webブラウザからセキュアなセッションにログインして必要なケアを受けることができる。2億5,000万人以上の患者が、Epic内の最新の電子カルテを利用している。シスコのその他のパートナーも遠隔医療アプリケーションやソリューションの開発と配備を行っており、世界中で患者にケアを提供する臨床医に貢献している。
ユーザ、アナリスト、パートナーのコメント
Aragon Research 創設者 CEO兼リード アナリストのジム・ランディ(Jim Lundy)氏は 「テレワークは、ビジネスと経済の継続性を実現する重要なイネーブラーであり、結局のところ、仕事は行うべきことであり、行くべき場所ではないことが証明された。この次の段階では、企業には借地から求人戦略まで事業の運営方法を完全に再考する機会がある。働き方を見直す上で、品質が高く安全性に優れたビデオを大規模に提供できるコラボレーション テクノロジーは鍵となるだろう」
Vivint Solar ITインフラストラクチャ担当ディレクターのマイク・ヒンクス(Mike Hinks)氏は「Cisco Webexを使ってすべてのコラボレーション ツールをクラウドにまとめたことで、圧倒的なエクスペリエンスが得られた。一晩で全社的にテレワークに切り替え、IT部門がグローバル オペレーションをシームレスにサポートできる能力は、当社の事業継続性戦略と相互接続の原動力を強化する。未曾有の困難な時期に業務を継続し続ける上で、Webexは欠かせない役割を果たしている」とコメントを出している。
NTT インテリジェント ワークプレイス担当グループSVP GTMのアレックス・ベネット(Alex Bennett)氏は「Webex Control Hubを利用することで、当社のお客様は、優れたセキュリティ、アナリティクス、コンプライアンス機能を含め、コラボレーションおよびコミュニケーション ポートフォリオ全体の卓越したインサイトを獲得できている。組織が新たな常識の戦略を探る上で、オフィスや家庭を問わずにアプリケーション パフォーマンスに対する可視性を一元的に得られることはとても大きなメリットだ。クラウドへの移行が加速する中、Webexを活用することで従業員エクスペリエンスの向上と具体的なビジネス メリットのサポートを図るお客様をサポートできる」とコメントを出している。
Box CEOのアーロン・レビー(Aaron Levie)氏は「新しいテレワークの時代に、従業員が任意のデバイスを使って社内的に、また、離れた場所にいる顧客やパートナーとシームレスにコラボレーションするための優れたツールを世界中の企業が求めている。BoxとWebexの新たな統合を通じてシスコとのパートナーシップを深められることを嬉しく思っている。これにより、両社のお客様にセキュアなテレワーク環境を提供できる」とコメントを出している。