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シスコ、楽天モバイルのローミングサービス品質の向上を支援

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複数のモバイルネットワーク間でシームレスな接続を実現

 シスコシステムズ(以下、シスコ)は4月14日、楽天モバイルとS10インターフェース規格に基づくローミングサービスの展開に成功し、日本国内の楽天モバイルとKDDIのモバイルネットワーク間の切り替えを完了したと発表した。

 3GPPで標準化されたS10シグナリングインターフェースは、シスコのVirtual Ultra Packet Coreに採用されており、楽天モバイルとKDDIのMME (Mobile Management Entity)を接続し、必要なユーザデータセッションを追跡して事業者ネットワーク間でのスムーズなハンドオーバーを可能にする。新サービスのデータパスはControl and User Plane Separationアーキテクチャーに対応するシスコのSystem Architecture Evolution Gateway VNFをKDDIネットワークに接続することで管理される。
 この技術により、楽天モバイルのユーザがネットワーク間を移動する際の音声通話やデータ通信の持続性を改善し、さらに快適な通信環境を提供することが可能となる。サービスの継続性が改善することで、楽天モバイルはモバイル機器での動画、アプリの使用、ウェブサイト閲覧、ゲームなどにおいて、より優れた途切れのない接続を提供することができる。楽天モバイルとシスコは、技術革新と業界を牽引する重要なマイルストーンを共同で達成したことになる。

 楽天モバイル 代表取締役副社長兼CTOのタレック・アミン(Tareq Amin)氏は「S10ローミングサービスの開始は、複数ネットワーク間でサービスや機器の継続性を維持する新たなユーザ体験の基準となる。楽天モバイル、シスコは、KDDIの協力のもと、技術とリソースを結集し、当社のネットワークに日々つながる人々に大きなメリットを提供する」とコメントを出している。
 シスコ Mass Scale Infrastructure担当シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのジョナサン・デビッドソン(Jonathan Davidson)氏は「楽天モバイルとKDDI間でS10インターフェース規格によるハンドオーバー通信が追加されることで、楽天モバイルのユーザに対し、よりシームレスなモバイル体験の提供が可能になる。この機能を複数の事業者間で活用する例は稀であり、連携によりこれを構築、試験し、実現できたことを嬉しく思う。これは未来のインターネットに対応できるよう、モバイルネットワークを再設計していく現在の取り組みの一つとなる」とコメントを出している。