ETS-LindgrenのFR1/FR2 OTA試験でMT8000Aを採用【アンリツ】
モバイル/無線 無料協業によりSub-6GHzおよびミリ波対応5G NRサービスの普及に貢献
アンリツは4月2日、ETS-Lindgrenが、同社の5G デバイス開発用OTAシステムにおいて、ラジオ コミュニケーション テストステーション MT8000Aを採用したことを発表した。
ユーザは、アンリツのMT8000AとETS-LindgrenのEMQuest EMQ-100を組み合わせて使用することにより、デュアルバンド(FR1およびFR2)に対応した5G NRデバイスの伝播試験や感度試験など総合的なデバイス性能が、OTA環境で検証できる。
ETS-Lindgrenとアンリツは、モバイルデバイスの分野で協業関係を築いており、4G LTEにおいて、ETS-Lindgrenはアンリツのラジオ コミュニケーション アナライザ MT8821Cを用いたOTAテストシステムを提供している。
5G NRにおいても、同社のEMQuest EMQ-100とMT8000Aのシームレスな統合が完了したことから、5Gチップセットメーカーや端末メーカー、宅内機器(CPE)、オートモーティブ関連メーカーは、FR1/FR2に対応した5G NRデバイスの妥当性検証を高精度に行えるソリューションとして使用できる。
今回の発表にあたり、ETS-Lindgren 事業開発担当ディレクターのJames Young氏は「このテストシステムは特別なテストモードや接続方法を必要とせず、多様な5Gデバイスで使用できるという、大きな利点を持っている。テストラボではほとんどのデバイスが、そのデバイスへの特別な制御を排除したブラックボックスとして試験される。5G NRのスタンドアローンモードであれ、4G LTEアンカーが必要なノンスタンドアローンであれ、FR1とFR2バンドの両方で接続を確立し、適合性と性能を検証できるテストシステムは、5G NRサービスの本格普及において重要な役割を担うと確信している」とコメントを出している。
Anritsu Americas Sales Company 事業開発担当シニアマネージャーのAdnan Khan氏は「5G NRのテストソリューションは、商用化の段階にきた。CTIAと3GPPが5G NR性能試験のテストケースを公表しているので、それらに対応したETS-Lindgren社とアンリツの幅広い製品を利用することにより5G 投資を効率的に広げられ、計測器やチャンバーの能力を最大化することができる」とコメントを出している。
ラジオ コミュニケーション テストステーション MT8000A
MT8000Aは、広帯域信号処理やビームフォーミングなど、5Gシステムで必要とされる最新技術に対応した開発用テストプラットフォーム。
疑似基地局として動作し、開発中の5G端末やチップセットの機能や性能を検証できる。
1台のMT8000Aで、5Gで使用されるSub-6GHzとミリ波の両方の周波数帯に対応している。また、チャンバー(電波暗箱)と組み合わせて使用することにより、OTA環境でミリ波信号の品質や通信手順を検証できる。