MediaTek社と協業し、5G NR SAモードの共同検証を実施【アンリツ】
モバイル/無線 無料ME7834NRとDimensity 1000チップを用いて、プロトコルの3GPP規格適合性を検証
アンリツは3月31日、MediaTek Incorporated(以下、MediaTek)と協業し、5G NRデバイスのスタンドアローンモード(SA)に対応した5G NRデバイスのプロトコル規格適合性を検証することを発表した。
この検証では、MediaTek社のDimensity 1000チップセットと、アンリツの5G NRモバイルデバイステストプラットフォーム ME7834NRを使用する。
検証を通して、MediaTekは同チップの、アンリツはテストケースのプロトコル規格適合性確保に取り組み、SAモードに対応した5G NRサービスの早期商用化に貢献するという。
5G NRのコンフォーマンス試験は3GPPのTS 38.523で規定されており、現在、複数のFR1(Sub-6GHz)周波数帯域でGCF/PTCRB認証が行われている。
5G NRの商用化に際しては、5G NRと4G LTEを組み合わせたノンスタンドアローンモード(NSA)が先行しているが、今後は5G NR単独で運用するSAモードの普及が予想される。
この状況を踏まえ、MediaTekは、SA/NSA両モードに対応したDimensity 1000チップセットの開発を進めており、今回、プロトコルにおける3GPP規格適合性検証でアンリツと協業することになった。
今回の協業に際し、MediaTekの無線システム設計およびパートナーシップ担当ゼネラルマネージャーであるJS Pan氏は「アンリツの最先端の試験ソリューションにより、当社の5G開発プロジェクトがサポートされている。両社の成果が5G NRの業界標準試験となるよう、一層の取り組みを進めていく」とコメントを出している。
アンリツ 執行役員 計測事業本部長の徳家 努氏は「MediaTekと当社の取り組みが、5G NRの発展と強化につながっている。新しい5G NRデバイスを迅速に市場投入するという、モバイル業界における目標の達成に、貢献できることを誇りに思っている」とコメントを出している。
5G NR モバイルデバイステストプラットフォーム ME7834NR
ME7834NRは、5G NRにおけるスタンドアローンモード(SA)/ノンスタンドアローンモード(NSA)双方で、3GPP TS 38.523で規定されるプロトコルコンフォーマンス試験、主要通信事業者の受入試験に対応している。
また、5G用に新しく設計したOTAチャンバとRFコンバータを組み合わせることで、5Gで使用されるSub-6GHzおよびミリ波を含む周波数帯域をカバーする。
ME7834NRは、LTE、LTE-Advanced(LTE-A)、LTE-A Pro、およびW-CDMAのプロトコルコンフォーマンス試験と事業者受入試験に対応したME7834LAを元に開発している。
このテストシステムをすでに導入しているユーザは実証済みのLTE-A試験環境を活用しながら、スムーズに5G対応システムにアップグレードすることができる。