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高出力で低雑音特性に優れた前方励起ラマン増幅器用の励起光源を開発【古河電工】

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 古河電気工業は3月10日、従来方式よりも伝送距離を伸ばす前方励起ラマン増幅器用の励起光源FRSi4XXシリーズを開発したと発表した。

背景

 近年、スマートフォンの普及によるワイヤレスバックボーンの拡大やクラウドコンピューティング、動画配信、ソーシャルネットワークの普及などにより、通信トラフィックが急激に増加している。このため、今後本格的に導入が進む400Gbps等の超高速光ファイバ通信では、受信光信号対雑音比(OSNR)改善が重要となるが、既存の光増幅器(EDFA)では必要なOSNRが確保できず、雑音特性に優れるラマン増幅器の需要拡大が見込まれる。中でも、ラマン増幅の優位性を最大限に生かすことができる前方励起ラマン増幅器に対しては、伝送距離拡大技術として期待が高まっている。
 従来は、前方励起ラマン増幅器用の励起光源の出力・雑音特性に限界があったため、ラマン増幅器としては後方励起方式のみが実用化されていたが、今回、同社は、高出力で低雑音特性に優れた前方励起ラマン増幅器用の励起光源FRSi4XXシリーズを開発したという。

内容

 FRSi4XXシリーズの特長と開発のポイントは次の通り。

高出力:25年以上培ってきたInP(Indium Phosphide)の光半導体チップの設計・製造技術および高精度パッケージング技術を最大限活用し、独自の高出力チップ構造と光ファイバとの高効率結合技術開発を進めるとともに、新チップに最適な放熱設計も行うことで、光出力100mW以上を実現。

低雑音:従来ラマン増幅器用光源に比べ、約20dB/Hz低減。

 FRSi4XXシリーズと既製品のFOL1439シリーズを組み合わせ、前方励起ラマン増幅器に最適な励起光源を実現できる。
 同社は「今後も超高速光ファイバ通信等の需要が高まることから、本シリーズにおける技術を更に高め、5Gの進展を見据えた情報通信インフラの構築に貢献していく。なお、本FRSi4XXシリーズは2020年度下期にサンプル出荷開始を予定している」という。

主な製品仕様


スペクトル特性


雑音特性