学習者用端末、通信ネットワーク、デジタル教材の提供を通じて、GIGAスクール構想の実現を推進【NEC】
データセンタ/LAN 無料NECは2月17日、国が掲げるGIGAスクール構想(※)の実現に向けて、PC等の学習者用端末と校内の通信ネットワークといったICT環境の整備を進めていくと発表した。同時に、4月より提供開始するNEC教育クラウド「Open Platform for Education」を通じてデジタル教材を提供する。同社は「ハードウェア、ソフトウェア、さらにはソリューションまでフルレイヤーで教育のデジタル化を推進し、GIGAスクール構想の実現に包括的に貢献していく」としている。
※GIGA(Global Innovation Gateway for All)スクール構想:児童生徒1人1台端末、および高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備し、公正に個別最適化された学びを全国の学校現場で持続的に実現させる構想。
Society 5.0時代におけるICTを活用した新しい学びを実現するため、国はGIGAスクール構想を掲げ、1人1台の学習者用端末と高速大容量の通信ネットワークの整備を一体的に推進している。文部科学省では、今年度補正予算ならびに来年度予算において、この予算措置を講じており、全国の自治体には、PCや通信ネットワークといったICT環境の整備のみならず、ICTを活用した指導体制の構築やデジタル教材など、教育のデジタル化を総合的に進めていくことが求められている。
そこで、NECは、これまで文教市場で蓄積してきた実績を元に、文部科学省「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策」に基づく以下の製品・サービスを一体的に提供していくという。同社は「GIGAスクール構想で掲げる“誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学び”を、ICTを通じて支えていく」としている。
通信ネットワーク
高品質な校内LANの整備を進め、全教室で全児童生徒が一斉に端末を利用する際でも、ストレスなく「快適・公平・安全」に通信ネットワークを利用できる環境を構築する。具体的には、文教市場で多数の実績を有する以下のネットワーク製品群を提供していく。これらのネットワーク製品群の多くは、5年間の無償保証期間を設けている。
同製品群はNECプラットフォームズが提供する無料のクラウド型統合管理サービス「NetMeister(ネットマイスター)」を利用することで、各校のネットワーク機器をクラウド上から一元的に管理することが可能であり、運用者の負荷軽減に繋がる。
さらにNECは、教育のデジタル化を一層推進するため、文部科学省と総務省が連携して進める「教育現場の課題解決に向けたローカル5Gの活用モデル構築」にも積極的に取り組んでいくという。
学習者用端末
GIGAスクール構想で示された具体的モデルに準拠した端末も新たに追加される。OUTカメラ搭載やWi-Fiモデルに加え、LTEモデルも用意した「NEC Chromebook Y2」およびWindows10搭載の「VersaPro Eシリーズ」など、教育現場のニーズに合わせてより柔軟に対応できるよう、ラインアップを強化する。
教育プラットフォームを通じたデジタル教材・サービス
NECは、通信ネットワークや学習者用端末といったICT環境を整備するとともに、「新学習指導要領」に掲げられたICTを活用した学習活動の充実にも取り組む。具体的には、デジタル教科書・教材、学習支援サービス等を利用するためのプラットフォームとして、NEC教育クラウド「Open Platform for Education」を4月より提供する。
同時に、1人1台整備される学習者用端末を有効に活用するため、新たに、すららネット、ジョイズ、ロジカ・エデュケーションと提携し、同プラットフォームを通じて、以下のデジタル教材を4月より配信していく。NECは「ICTを活用した教育をまずは体験してもらうため、来年度に限り無償で提供する」としている。
すららネット
教材:AIを活用した個別最適化ドリル教材「ピタドリ」
狙い:初等教育の土台となる主要科目について効率的・効果的に学習
ジョイズ
教材:AIを活用した英会話アプリ「TerraTalk」
狙い:AIと楽しみながら生徒の英語発話力の向上
ロジカ・エデュケーション
教材:プログラミング教材「ロジカ式 for SCHOOL」(注6)
狙い:プログラミング学習導入に向けたプログラミング的思考の強化
また、今年度より紙の教科書との併用が認められたデジタル教科書についても、同プラットフォームを通じて、4月より順次提供される。NECは日教販と協業しており、同社との提携を通じて、教科書をはじめ提供するデジタル教材を拡充していく予定だという。
NECは「社会課題解決につながる社会ソリューション事業に注力している。すべての児童が新時代における新たな学びに取り組めるよう、教育現場のみならず、児童一人ひとりに対応した教育ICT環境の整備を推進していく」としている。