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オシロスコープの革新的なジッタ解析手法によりシグナルインテグリティ・デバッグの効率を改善【ローデ・シュワルツ】

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 ローデ・シュワルツは1月23日(ミュンヘン)、個々のジッタ成分を解析するための斬新かつ強力な手法を開発したと発表した。これにより、電子回路設計者に対して、これまで利用できなかった高速信号のデバッグに役立つ詳細情報の提供が可能になった。(抄訳は1月27日にローデ・シュワルツ・ジャパンがリリース)

 データレートが増加し、電圧振幅が減少すると、デジタルインタフェースのインターバルにおいてジッタの占める割合が多くなるため、不具合の原因となる可能性が益々高くなる。そのため、エンジニアには信号のジッタ成分を個別に分離する機能を含んだ、ジッタの詳細な解析ツールが必要となっている。

 新しいR&S RTO-K133 / RTP-K133のアドバンスドジッタ解析オプションには、ランダム・ジッタや、データ依存あるいは周期ジッタなどのデターミニスティック・ジッタなど、個別のジッタ成分を分離するための革新的な手法が導入されている。この解析手法は、被測定物の伝送リンクの振舞いを完全に特徴付けるパラメトリック信号モデルに基づいている。

ジッタ解析の様子

 この手法の主な利点は、被測定物の完全な波形特性を含んでいる点だ。これはタイムインターバル・エラー測定において、データセットを減らす従来の方法とは対照的なアプローチとなる。その結果、比較的短い信号シーケンスでも一貫した測定データに加え、ステップレスポンスなどの以前は利用できなかった情報、また垂直および水平周期的ジッタの区別が可能になる。エンジニアは、合成アイダイアグラム、すべての個別ジッタ成分のヒストグラム、周期的ジッタのスペクトラムビューとピークビュー、ビットエラーレートを推定するためのバスタブプロットなどのジッタ表現を使用することにより、詳細な情報を活用できるようになる。

 ローデ・シュワルツのオシロスコープ部門の責任者であり、Vice PresidentであるJosef Wolf氏は、R&S RTO- / RTP-K133のオプションが非常に好評であることを確信し「高度な方法を導入し、20年近くでオシロスコープのジッタ分離を改善する、全く新しいアプローチを導入できたことを誇りに思う。最新のアドバンスドジッタ解析オプションにより、エンジニアは、以前は利用できなかった信号のジッタの特徴について、さらなる解析結果を得ることが可能になる」とコメントを出している。

 このアドバンスドジッタ解析オプションは、エンジニア向けのシグナルインテグリティ・デバッグ機能を拡張し、業界内唯一のリアルタイム・オシロスコープによるTDR/TDT測定、およびオシロスコープでのリアルタイムのディエンベディング機能を補完している。

 R&S RTOおよびR&S RTPオシロスコープ用のオプションR&S RTx-K133がローデ・シュワルツより販売を開始している。また、 1月28〜30日にカリフォルニア州サンタクララで開催されるDesignCon 2020ではライブデモンストレーションが行われる予定だという。

 製品価格はR&S RTPモデル用(RTP-K133)が¥1,241,000、R&S RTOモデル用(RTO-K133)が¥ 770,000となり、年間販売目標は2つのオプションを合せて30ライセンスの販売を予定しているという。