マイクロソフトとKKBOX Groupがグローバル戦略的パートナーシップを開始
データセンタ/LAN 無料 マイクロソフト台湾とKKBOX Groupは12月23日(台北)、同グループ子会社KKBOXのミュージックストリーミングサービスをMicrosoft Azureクラウドプラットフォームに移行するグローバル戦略的パートナーシップの発足を共同発表した。さらに、KKBOX Groupの子会社KKStreamはマイクロソフトのグローバルパートナーネットワークに参加し、データとAIを利用してOTTプラットフォーム事業の運用コストを効果的に削減する次世代商用ビデオストリーミングソリューションBlendVisionをリリースすると発表した。(情報提供:共同通信PRワイヤー)
マイクロソフトとKKBOX Groupは、データとAIを共同利用して、ミュージッククリエーションシステムを最適化し、消費者の新しいミュージックリスニングの可能性も追求する。今回の提携は、KKBOX Groupの国際化イニシアチブのマイルストーンであり、デジタルエンターテイメント業界の可能性をさらに切り開くものだという。
マイクロソフト ワールドワイドメディア&コミュニケーション業界担当ゼネラルマネージャーであるボブ・デヘイブン氏は「メディアとエンターテインメント業界は改革を進めており、スタジオやブロードキャスター、さらにOTTサービスプロバイダなどの他のリッチメディアコンテンツクリエーターは、自らを有利にするためデータ使用でよりスマートになろうとし、オーディエンスへのコンテンツ配信方法を一新するプレッシャーに直面している。KKBOXは、アジアのエンターテイメント業界の最先端に立って世界クラスのエンターテイメントをユーザに提供し、テクノロジーによって実験とイノベーションを継続してした。当社は、KKBOXがAzureを選択し、クリエイティビティとコラボレーションを切り開き、コンテンツを市場により迅速に提供し、オーディエンスを魅了するインテリジェントなプラットフォームを同社に提供できることを大変嬉しく思っている」とコメントを出している。
15年以上にわたりアジア市場にサービスを提供してきたKKBOX Groupは現在、グローバルに事業を拡大している。同社は、ミュージック、ビデオ、チケット販売業務、eコマースなどのビッグデータを統合し、AIを活用してユーザにより良い体験を提供し、アーティスト、クリエイター、コンサート開催者に対して、ビジネスインサイトを提供する。
クリス・リン共同創業者兼最高経営責任者(CEO)は「KKBOX Groupはアジアで幅広いエンターテイメント体験を消費者に提供する。マイクロソフトと提携し、KKBOXのミュージックをAzureに移行し、BlendVisionを世界で共同販売することで、ストリーミングテクノロジーの課題を解決し、AIミュージッククリエイションを発展させることを嬉しく思っている」とコメントを出している。
パートナーシップの主な内容は次の通り。
KKBOXストリーミングサービスをMicrosoft Azureに移行
KKBOXミュージックストリーミングサービスをAzureプラットフォームに完全移行するために、マイクロソフトと提携することで、KKBOX Groupは高速ストリーミングサービスと差別化されたエンターテインメント体験に対する消費者の要望に応える。これにより、KKBOXはより迅速な開発を提供し、リソーススケジューリングを管理し、トラフィックを柔軟に調整して、より多くのメタサービスを開発し、デジタルサービスを加速するデジタルエンターテイメント業界のトレンドに足並みをそろえることができる。
Microsoft Azureは55のデータセンタ・リージョンによって、世界のエンタープライズの要求に応じたサービスとアプリケーションを展開するために必要な規模を提供する。このカバレッジは、エンタープライズが要求に応じたサービスを展開することに役立つ。高度な基準の情報セキュリティによって、KKBOXはデータを総合的なセキュリティによって保護しつつ、革新的なサービスを国際市場に迅速に展開できる。マイクロソフトは、フロントエンド・テクノロジーによってエンタープライズ・デジタルトランスフォーメーションを推進し、様々な業界のユーザとパートナーが、AIとクラウドを導入してエンタープライズ・リソースの展開と運用プロセスを最適化し、共同販売プランを通じてビジネスのグローバル展開できるよう支援することにコミットしている。マイクロソフトは「KKBOX Groupとの今回の戦略パートナーシップは、マイクロソフトにとって、デジタルエンターテイメント業界においてのマイルストーンと言える」としている。
KKStreamが商用ビデオストリーミングテクノロジーソリューションBlendVisionを開始
BlendVisionは、SaaSオファリングを通じて、ストリーミングプラットフォームオペレーターを支援する次世代の商用ビデオストリーミングソリューションだ。運用コストを削減し、ユーザ体験を向上させるとともに、新しい収益モデルを生み出すサービスを開発する。BlendVisionは、Per-Title Encoding(PTE)を組み合わせた「BlendVision Video Streaming」を開始し、AIを活用してビデオ圧縮とトランスコーディングのさまざまなビットレートを検知することによって、OTTプラットフォームオペレーターの運用コストを効果的に軽減し、伝送帯域幅を大幅に軽減しストレージスペースも大幅節約する。
独自開発のPerceptual Streaming Engine(PSE)と呼ばれるイメージ強化テクノロジーが付加され、オリジナルビデオの視覚上のパフォーマンスを向上させ、低解像度ビデオの品質を倍増してHDに変換し、最適なストリーミングイメージ品質にする。これら2つのテクノロジー(PTEとPSE)はプラットフォームオペレーターの伝送コストを80%削減し、ユーザは最小のトラフィック量で最高のイメージ品質を楽しむことができる。マイクロソフトとKKStreamの提携は、Azure上に構築されたBlendVisionのサービスアーキテクチャを備えたSaaSモデルに基づいており、新しいサービスを消費者に提供する。同時に、マイクロソフトの世界規模のセールス・サービスチームは実装を支援する。マイクロソフトとKKBOXは「すでに、アジア地域に10の潜在顧客があると予測している。この戦略的提携によるビジネスチャンスが無数にあることを示している」という。
プロデューサー向けのAI対応ミュージックプロダクションシステムを共同開発
KKBOXはマイクロソフトのAIテクノロジーを活用してAI支援ミュージックアレンジ・システムとAI支援の歌詞ジェネレーターを構築する。さらに、同グループはデータとAIを使用する予測モデルを開発し、楽曲の商業的成功を予測することが可能だ。KKBOXとマイクロソフトは、デジタルエンターテイメント業界が変革に直面しており、テクノロジーを使用してユーザ向けのコンテンツをより迅速かつスムーズに作成し、データ主導型のアプローチを使用してパーソナライズされたサービスを生み出さなければならないとの考えを示している。AIはこの変革における最も重要な推進役を果たすという。KKBOXは、世界初の合法的なミュージックストリーミングプラットフォームの1つであり、2005年からサービスを提供している。同社は消費者の視聴行動の変革に成功し、音楽業界のビジネスモデルはそれによって変化している。KKBOX Groupとマイクロソフトは「AIを活用して新しい機会を追求し、新しいトレンドを生み出し、エンターテイメント市場を変革することを目指す」としている。