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牛舎内で5Gを活用し、従業員の作業効率化を支援する実証試験を実施

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5Gで伝送した4K映像による耳標の読み取りと乳牛の見守り

 国際電気通信基礎技術研究所 (以下、ATR)、KDDI、宮崎大学工学部 情報処理システム研究室 (以下、宮崎大学)、北海道河東郡上士幌町 (以下、上士幌町)、とかち村上牧場は12月14日、酪農・畜産業における従業員の作業効率化を目的に、5Gで伝送した牛舎内の乳牛の4K映像を用いた、耳標の読み取りによる乳牛の居場所の把握と遠隔からの乳牛の見守りを行う実証試験を2019年11月16日から11月25日の間に実施していたことを発表した。
 この試験は総務省の令和元年度5G総合実証試験の一環として実施されたという。

 北海道内では、乳牛の飼養戸数が減少傾向にあるなか、一戸あたりの飼養頭数は年々増加傾向にあり、搾乳や給餌などの労働負荷を軽減することができ大規模経営に適したフリーストール牛舎の導入が進んでいる。一方で、フリーストール牛舎では、牛が牛舎内を自由に歩き回れるため、個体管理が難しいという課題がある。牧場主や従業員が日々獣医検診や健康管理などを行うために、数百頭もの中から対象の牛を特定する必要があり、さらなる作業効率化が求められている。
 同試験では、とかち村上牧場のフリーストール牛舎内で、給餌中に連動スタンチョン (牛のつなぎ止め具) により固定された乳牛の4K映像を5Gでリアルタイムに伝送し、その映像から、飼育される全ての牛に装着が義務付けられている個体識別番号を印字した耳標を読み取ることによって、乳牛の居場所を特定する実証を行った。これにより、獣医検診などの対象となる乳牛の居場所を人手や時間をかけずに把握できることを確認した。さらに、4K映像を通じて飼育している乳牛の状態を牛舎外の事務所から確認・見守りできることを確認した。

 各者は「今後も5G/IoTをはじめとする最先端のテクノロジーを活用し、酪農・畜産業の発展に貢献していく」としている。

ATR:本試験の実施、推進
KDDI:本試験の実施、および5Gエリアの設計・構築
宮崎大学:耳標読み取りの実装・評価
上士幌町:本試験の実施アイディア提案
とかち村上牧場:実施場所の提供

同試験の構成