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MP2110Aサンプリングオシロスコープに内蔵可能な53Gbaudクロックリカバリの販売を開始【アンリツ】

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100G/200G/400G PAM4光モジュールの開発・製造コスト削減に貢献

BERTWave MP2110A

 アンリツは12月20日、BERTWave MP2110Aのサンプリングオシロスコープの機能を強化し、53GbaudのPAM4光信号からトリガクロックを生成することができるクロックリカバリユニットオプションの販売を開始したと発表した。
 このクロックリカバリオプションは内蔵タイプであるため、外付けタイプよりも低価格であり、操作性も優れている。また、すでに販売しているオプションと組み合わせることで、様々なタイプのPAM4光モジュールを1台で評価することが可能だ。
 アンリツは「設備導入が活発なPAM4光モジュールの開発・製造でのコスト削減に貢献する」としている。

対象市場と用途

開発の背景

 5Gの本格普及を迎え、データ通信ネットワークの需要はますます高まる一方で、高速大容量のネットワークを従来と同様の低コストで構築することが求められている。この高速大容量ネットワークに使用される100G~400Gに対応した光モジュールでは、従来のNRZ方式に代わりPAM4方式の光信号が出力される。
 一方、信号の波形品質を評価するサンプリングオシロスコープでは、データ信号に同期したトリガクロック信号が別途必要となるが、PAM4信号を出力する光モジュールではトリガ信号を用意できないケースが多くなってきている。このような場合、クロックリカバリを使用するとデータ信号からトリガ信号を生成することができるものの、クロックリカバリの導入はコストが高くなるという課題があった。
 そこで、今回アンリツはMP2110Aのサンプリングオシロスコープに内蔵可能なクロックリカバリオプションを、従来の26Gbaudに加えて53Gbaudのレートに対応することで、コストの低減を実現した。

製品概要

 BERTWave MP2110Aは、光波形評価に使用されるサンプリングオシロスコープと、ビットエラー率測定を行うBERTを1台に収容可能なプラットフォーム。オシロスコープ用クロックリカバリは、対応レートとシングルモード/マルチモードを選択し、追加することで多彩なシステムアップが可能となる。
 今回のオプション追加により現在IEEEで規格化が完了しているすべての種類のPAM4光モジュール評価を、外部のトリガクロックなしに1台で行うことが可能となった。また4チャネルオシロスコープを選択すると複数のチャネルを一括で測定できるため、製造のスループットを改善することも可能だ。
 アンリツは「現場で必要な試験系を、柔軟に、かつ最適なコストで構築できる」としている。

内蔵クロックリカバリユニットを利用したMP2110A測定ソリューション

BERTWave MP2110Aの特長

  • 1/2/4チャネルのサンプリングオシロスコープとBERTを選択して搭載可能
  • サンプリングオシロスコープは世界最高レベルの高感度で26G NRZから53G PAM4までの光信号解析に対応。オプションでクロックリカバリを搭載可能
  • BERTはR&Dモデルと同等の波形品質・高感度。クロックリカバリ標準搭載
  • 内蔵PCによる安定した高速測定