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テレコム・データ通信用途に適したCorning RCBI光ファイバを新発売【コーニング】

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 コーニングインコーポレイティッドは9月3日、CIOE2019(9/4~7) にて、新たな特殊光ファイバの発売および各種先進光学製品の展示を行うと発表した

 新たなCorning RCBI光ファイバは、G.657およびG.652に適合する、初の薄型クラッド光ファイバ。この低曲げ損失光ファイバは、クラッド径80ミクロンという薄さが特長の製品だ。RCBI光ファイバは、低減衰性、極めて優れたマクロベンド性能、小型パッケージングを常に追求する業界トップの幾何学性で、優れた光学コンポーネントを提供する。
 市場では、多重化装置やトランシーバ、PIC相互接続向けに薄型クラッドのファイバ需要が高まっている。次世代トランシーバには、より高密度のファイバ-チップ結合ソリューションが必要だ。また、データセンタスイッチには、大幅なファイバ高密度化が求められている。従来のファイバよりもコンパクトなRCBI光ファイバは、こうしたテレコム・データセンタの要件を満たす製品となる。
 コーニングアドバンスドオプティクス スペシャリティファイバ プロダクトラインマネージャーのマイケル・ジョーダン氏「当社の新しいRCBI 光ファイバは、テレコムおよびデータセンタで高まっているニーズに応える最適な製品だ。RCBIを用いることで、データフローを減らすことなく、ケーブルの高密度化、小型化が可能だ。今年のCIOEにこの製品を発表できることを誇りに思っている」とコメントを出している。
 コーニングは、RCBIファイバにより高密度化、省フットプリント化を果たしたファイバアレイユニット(FAU)製品ラインを拡大している。FAUは、トランシーバやマルチプレクサなどの光学機器内部で使用され、複数のファイバを電子回路に結合する。データセンタや高性能計算に必要なファイバ数が増え、ファイバ密度が高まる中、FAUは各ファイバのフットプリントを減らしつつより多くのファイバを収容可能でなければならない。OEMは、このファイバを用いることで既存のFAUと比べてファイバ密度を最大50%高めることができ、また低プロファイルのファイバチップ接続でもより厳しい90度曲げが可能になる。また、コアピッチ精度を20%以上高めることで、最大100チャンネルを有するFAUが可能になる。
 これ以外にも、コーニングは次のような複数の市場向け各種先進光学製品を展示するという。
• 半導体リソグラフィで使用される、耐久性に優れたガラスおよびフッ化物結晶材料
• OEM向け精密レンズ・検査機器
• OLEDデバイス製造に最適な光学材料
• 軽量センサを備えたハイパースペクトラルイメージングシステム
• 拡張現実(AR)機器向け高屈折率ガラスウェハー

 コーニングはさらに、HPFS高純度溶融シリカ、Corningフッ化カルシウム(CaF2)レンズ、同社高屈折率ガラスを用いたウェアラブルARヘッドセットを展示するとともに、同社光学部品に焦点を当てた3Dセンシングデモも行う。

 コーニングアドバンストオプティクスは「ガラス科学および光学物理学におけるコーニングの長年の経験を活用して、カスタマイズ設計、最先端光学材料、完全なシステムを通じて、顧客が抱える極めて困難な光学的課題を解決する。これらの製品には、Corning ULEやHPFSのような高品質材料に加え、業界をリードする計測機器、自動レーザーガラス切断ツール、光学設計の専門知識などがある」としている。
 コーニングアドバンストオプティクス ビジネスディレクターのカサンドラ・タリアーフェロ氏は「コーニングは、様々な商業用途に適した光学材料とフルシステムに応える、優れたポートフォリオを有している。私たちの製品は、光工学およびガラス科学に関するコーニングの深い理解と専門知識を示すものであり、こうした土台が電子デバイス向けにより複雑なマイクロチップの創出につながっている。今年、オプトエレクトロニック業界に特化した世界最大の展示会のひとつであるCIOEで製品を展示できることを嬉しく思っている」とコメントを出している。