産業用コンピュータで世界トップシェアの台湾アドバンテック社とIIJ、産業IoT(IIoT)分野でビジネス協業を開始
DX/IoT/AI 無料 Advantech(以下、アドバンテック)とインターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は、アドバンテックがグローバルに提供している産業分野向けIoTプラットフォーム「WISE-PaaS(ワイズパース)」の日本でのビジネス展開において協業すると発表した。
同協業のもと、両社はWISE-PaaSの日本リージョンを共同で立ち上げ、IIJのセキュアなネットワークおよびクラウドサービスを組み込んだ日本市場向けの新たなサービス「WISE-PaaS JP(仮称)」を開発し、アドバンテックが2020年1月より提供を開始するという。
産業用コンピュータにおいて世界トップシェアを誇るアドバンテックは、産業IoT(IIoT:インダストリアルIoT)に特化したプラットフォームWISE-PaaSを2016年よりグローバルに展開を進めている。WISE-PaaSは、工作機械等の生産設備や製造ラインに設置された同社の産業用コンピュータやデバイスから様々なデータをリアルタイムに収集し、設備やラインの状況を可視化することで、設備およびラインの稼働率把握や設備のリモート監視、予兆保全などを可能にするためのプラットフォーム。製造業を中心に、物流、運輸、交通、エネルギーなど、様々な業種のユーザに、業務効率を向上させるIoT構築に必要なシステム基盤を一元的に提供する。
一方、IIJはフルMVNOならではの特性を活かした閉域モバイルネットワークやユーザ専有型クラウド環境への閉域接続など、IoT用途向けに高セキュリティなネットワークとクラウドサービスを提供しており、豊富な運用実績がある。アドバンテックとIIJは「それぞれが強みをもつ技術とサービスを相互補完することで、アプリケーションから、ハードウェア、クラウド、ネットワーク、セキュリティまでをWISE-PaaS JPのサービスとしてワンストップで提供し、日本市場でのIIoTビジネス拡大を目指す」としている。
WISE-PaaS JPの主な特徴
IIoTで必要になるシステムをフルカバー
データを集めるデバイス、エッジサーバからネットワーク、クラウド(PaaS/IaaS)まで、基盤となるシステムを包括的に提供し、あわせて生産管理や設備監視、エネルギー管理システムなど特定業務に必要なアプリケーションをパッケージとしてラインナップしている。そのためユーザは、必要となるコンポーネントを選ぶだけで容易にIIoTシステムを導入することが可能だ。
高セキュリティなシステムを構築可能
データ収集のためのネットワークは閉域接続のモバイルサービスを利用するため、クローズドな通信環境でデータ転送や遠隔コントロールが可能で、工場や設備を外部の脅威から隔離したセキュアなシステムを構築できる。
さらにアドバンテックとIIJは、物流、運輸、交通、エネルギーなど様々な業界に特化したSI企業をパートナーとして連携し、WISE-PaaS JPが提供する仕組みを活かした“ドメイン(領域)特化型ソリューション”の開発と展開を推進している。
パートナーによるWISE-PaaS JPの導入、展開においては、アドバンテックと業務資本関係にありWISE-PaaSのプライムソリューションインテグレーターである日本ラッドの協力のもとにすすめていく。
今後は、両社が持つ高度な技術や豊富な知見・ノウハウを活かし、WISE-PaaS JPを展開することで、国内におけるIIoTの実用化を推進し、ユーザのビジネスモデル変革を支援していくという。