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5G時代の多様なトラフィックに対応する仮想モバイルコアを開発【NEC】

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 NECは7月30日、5Gモバイルコアネットワークの構築において、多様化するトラフィックに対応し最適な構成を実現する仮想モバイルコア製品を開発した。3GPP(3rd Generation Partnership Project)で標準化されているオープンなインターフェースを採用し、ネットワーク制御(C-Plane)とユーザデータ処理(U-Plane)を分離可能にした(CUPS)。これにより、ネットワークの柔軟性が向上し、設備コストを削減できる。LTEから5Gへのマイグレーションを進める通信事業者や新たに5Gネットワークの構築を行う事業者に向けて、2019年9月末から提供を開始する。この仮想モバイルコア製品により、LTE向けEPCにおいてCUPSの提供を開始し、今後5GCへと拡張していく予定だという。

 5G/IoTの導入に伴い、通信事業者がパートナー企業と連携しながらサービスを展開するB2B2Xのビジネスモデルへのシフトが加速すると想定されている。こうしたサービスにおいては、超高速のデータ通信や超低遅延のネットワーク構築など、導入サービスの特性に合わせて柔軟に、素早く、スモールスタートで最適なネットワークを構築することが求められる。CUPSの導入により、サービス提供者はトラフィックの特性に適したU-Plane装置を自由に選択できるようになり、設置場所もサービス内容に合わせて最適な場所に配備してサービスを始めることができる。サービス導入までのリードタイムを短縮するだけでなく、サービス事業の拡大や設備コスト低減にも貢献することができる。

 NECは「今回開発した仮想モバイルコア製品を用いて、NECが開発したC-Plane装置とジュニパーネットワークス社が開発したMX シリーズ 5G ユニバーサル ルーティング プラットフォームのU-Plane装置のCUPSによる相互接続を確認した。今後もU-Plane設備多様化を実現するため、積極的に他の通信機器メーカーとの相互接続を実施していく」としている。

 5G導入初期は、LTEでの運用を継続しつつスポット的に5Gが展開されていくことが想定される。NECは、LTEから5Gへのスムーズなマイグレーションを支援するため、今後も仮想モバイルコア製品の機能をソフトウェアのアップグレードによって進化させていくという。これにより、通信事業者の既存のLTE設備の有効活用を実現して効率的な設備投資に貢献し、継続的に5G導入を支援していく狙いだ。

5G時代のコアネットワークの将来像

 NECは「2020年度までの3カ年の中期経営計画“2020中期経営計画”のもと、ネットワークの強みを活かした新たな領域におけるサービス事業を推進している。本仮想モバイルコアにより、ネットワークを柔軟に活用し、人・モノが生み出すデータを産業の枠を超え賢くつなぐ “NEC Smart Connectivity”の提供を加速し、新たな社会価値を創造していく」としている。