基地局用エリアテスタで、5Gの電界強度測定を実現【アンリツ】
モバイル/無線 無料5G測定オプションの販売開始により、5Gの通信品質向上、安定性向上に貢献
アンリツは、携帯電話基地局サービスエリアの電波伝搬状況を評価するエリアテスタML8780A/ML8781Aの機能を強化し、5G NR(第5世代通信システム)測定用オプションを開発。7月29日から販売を開始した。
ML8780A/ML8781Aは、基地局の建設・保守用の測定プラットフォーム。5G測定用オプションを搭載することにより、5G NR基地局から出力される5G信号の電波伝搬特性を高精度に評価し、カバーエリアを正確に検証することができる。
アンリツは「ML8780A/ML8781Aにより、5Gの通信品質向上、安定性向上に貢献する」としている。対象市場は、携帯電話オペレータ、携帯電話基地局メーカー、携帯電話メーカー、通信工事会社、ローカル5G事業者。用途は5G NR基地局のカバーエリア内の電波伝搬特性評価。
開発の背景
国内の携帯電話オペレータ各社は、今年の秋頃から実施が予定されているプレサービスにむけて5G NR基地局の整備を進めている。また、2020年春頃から開始予定である本格サービスに向けて、多数の基地局の配備が必要となる。さらに今年末からはローカル5Gが制度化される予定であり、自営通信による5G基地局の整備も本格化する。
オペレータ各社およびローカル5G事業者は、通信品質の安定や向上のために、4G(LTE)と同様に基地局のカバーエリア内の電波伝搬特性の評価と、基地局の運用状態の確認を行う。
これにともない、評価用測定器のニーズが高まることが見込まれている。
そこでアンリツは、ML8780A/ML8781Aの5G測定用オプションを開発。オペレータやローカル5G事業者による安定した5Gサービスの提供に貢献する。
製品概要
エリアテスタML8780A/ML8781Aは、携帯電話基地局の建設・保守用測定器の共通プラットフォームだ。各種通信方式用のハードウェアユニット、ソフトウェアを搭載することにより、基地局サービスエリア内の無線通信品質を評価できる。
ML8780A/ML8781Aはバッテリーで動作するハンドヘルド測定器であり、測定現場に容易に持ち運べる。
新開発の5G NR測定用オプションは、5G NR基地局のエリア評価に必要な項目が測定できる「5G NR信号測定機能」、マルチパスの確認と改善に有効な「RS遅延プロファイル機能」、5G NR信号のフレームタイミングが許容範囲に収まっているかを確認できる「Frame Timing機能」などを標準搭載している。
ML8780A/ML8781Aに5G測定用ハードウェアおよびソフトウェアを搭載することにより、基地局から出力される5G信号(国内で運用される3.7 GHz/4.5 GHz/28 GHz帯)を評価することができる。
5G NR測定用オプション
3.7 GHz帯(3.6 GHz~4.2 GHz)/4.5 GHz帯(4.4 GHz~4.9 GHz)測定用
- 5GNR TDD sub-6GHz測定ユニット MU878070A
- 5GNR TDD測定ソフトウェア(3.7 GHz)MX878071A
- 5GNR TDD測定ソフトウェア(4.5 GHz)MX878072A
28 GHz帯(27 GHz~29.5 GHz)測定用
- 5GNR TDD mmWave測定ユニット MU878080A
- 5GNR TDD測定ソフトウェア(28 GHz)MX878081A
主な特長
- ユーザが3G/4G基地局の評価で使用しているML8780A/ML8781Aに本オプションを搭載し、5G信号の評価を実現できる。
- LTE測定ユニットと同時に搭載でき、NSA(Non Stand Alone)環境でのエリア調査が行える。
- 都市部など干渉の多い電波環境でも、信頼性の高い測定データを得ることができる。
- 3G/4G基地局の評価と同様の操作方法で5G NR基地局の測定が行え、5Gサービスのスムーズな立ち上げに貢献する。