日本最大規模となるデータセンタTY11を東京都心部に開設【エクイニクス】
データセンタ/LAN 無料グローバルなデジタルエッジを拡張し、日本における技術革新とクラウド導入を加速
エクイニクスは7月22日、ビジネス拡大を継続するグローバル戦略の一環として、日本で最大規模となるIBX(International Business Exchange)データセンタ(以下、IBXデータセンタ)「TY11」を東京都心に新規開設したことを発表した。TY11は第1フェーズでUS7,000万ドル(約79億円:2018年5月発表当時のレート)を投資し、950ラック、約3,700㎡のコロケーションスペースを提供する。最終フェーズの完了時には合計3,500ラック以上、約1万4,300㎡のコロケーションスペースを提供する予定だ。
同社は「ビジネスにおける技術革新とクラウド導入の加速により、東京はニューヨークやロンドンなどの都市を上回る世界最大のリテール向けコロケーション市場となっている。また、日本において、国内外の多くのクラウドサービスプロバイダ(CSPs)が事業を拡大しており、2019年には日本のパブリッククラウド市場規模は74億ドル(約8000億円以上)に達し、世界最大規模になると予想されている。2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、人工知能(AI)などの先端技術や堅牢なネットワークの導入が進んでおり、政府によるSociety 5.0の取組みや5Gのサービス導入も伴って、膨大なデータが生成されると予測される」としている。
TY11の開設により、エクイニクスは東京で合計11拠点、大阪で2拠点のIBXデータセンタを運用することになる。エクイニクスのTY11新規開設は、日本市場におけるクラウド導入やデジタル変革を加速する。東京都心部に開設されるTY11は、CSPsに対し、Platform Equinixを通してユーザにより近いデジタルエッジにおけるサービス提供を実現する。また、業界をリードするインターコネクションやデータセンタサービスの提供を通じて、シームレスで一貫性のある、セキュアなデータ転送を実現する。
発表の主なポイントは次の通り。
- 東京都江東区が指定する緊急避難区域に位置し、東京オリンピック・パラリンピックの会場にも近接するTY11は、耐震性に優れ、複数の防災設備を備えている。自然災害発生時には高レベルのセキュリティと優れた運用サービスを提供して、ユーザの事業継続性と安定性を確保する。
- エクイニクスはグローバルプラットフォームに使用するエネルギーを100%クリーンで再生可能なものとするという長期的目標を持っている。TY11はエクイニクスのサスティナビリティへの取り組みを実施する施設として、都心部における環境への配慮を更に進化させたさまざまな設計を取り入れている。壁面緑化やエネルギー効率に優れた照明システムのほか、動的な気流管理により冷却能力を向上させ消費電力を削減する空調最適化制御システムを採用している。同様に、エネルギー消費量の削減と冷却能力の強化を実現するコールドアイルキャッピングも備えている。
- TY11はEquinix Cloud Exchange Fabric(以下、ECX Fabric)を始めとする広範な接続オプションを提供する。ECX Fabricにより、世界各地の1,500以上のECX Fabricユーザとオンデマンドでセキュアな接続を設定できる。
- TY11はTY2とダイレクト接続している。TY2は、Platform Equinix内で80以上のネットワークサービスプロバイダーへのプライベートでセキュアなアクセスを提供し、高密度なネットワークエコシステムを形成している。また、TY11はTY4とのダイレクト接続により、Amazon Web Services、Google Cloud、IBM Cloud、Microsoft Azure、そしてTeradataを含む国内285以上のクラウドおよびITサービスプロバイダとのセキュアな接続を提供する。
- TY11の顧客は、85以上の金融サービスプロバイダが集う日本最大の金融エコシステムとの接続性を確保できる。東京金融取引所(TFX)や東京商品取引所(TOCOM)といった主要な金融取引所等の、東京における金融取引の中心にアクセスすることができる。
- 東京のエクイニクスIBXデータセンタはJPNAP(Japan Network Access Point)、日本インターネットエクスチェンジ(JPIX)、BBIX など地域の主要インターネットエクスチェンジ(IX)へのダイレクトアクセスを提供する。東京を代表するネットワークハブとして、国内外のネットワークプロバイダからのインターネットエクスチェンジの需要拡大に応えられる設計となっている。
- エクイニクスは現在、アジア太平洋地域の12都市において合計42拠点のIBXデータセンタを運用している。全世界では24カ国52都市で200拠点以上のIBXデータセンタを運用し、9,800社を超える世界の先端企業にデータセンタとインターコネクションサービスを提供している。
IDCジャパン ITサービス担当リサーチマネージャーの伊藤未明氏は「首都圏で新たにTY11が開設されたことによって、エクイニクスのインターコネクションの能力は強化され、インターネットエクスチェンジ、サービスプロバイダ、エンタープライズを含むエコシステムはさらに拡大することになる。エクイニクスにとってグローバルテナントの相互接続性と充実したエコシステムは重要な差別化要素であり、大きなバリュープロポジションだ。エクイニクスが東京に新たなデータセンタを開設したことは、金融サービスやインターネットサービスプロバイダのハブ都市としての当地域の重要性を反映している。エクイニクスが確実に顧客を獲得して、この重要な首都圏で確実にキャパシティを拡大していることの証明でもある」とコメントを出している。
エクイニクス Chief Customer and Revenue Officerのカール・ストロマイヤー(Karl Strohmeyer)氏は「エクイニクスでは、継続的な事業領域の拡大に主眼を置くと同時に、お客様がデジタル時代のビジネスチャンスを掴めるようサポートしている。エクイニクスにとってアジア太平洋地域は、常に戦略性の高い成長市場であり続けている。デジタル市場の急成長がインターコネクションやデータセンタサービスの需要拡大をけん引しているこの地域において、エクイニクスは投資と規模拡大を継続していく。今回のTY11の開設によって、日本のお客様が最先端のインターコネクションサービスを利用しつつ、自身のデータのレジリエンスに安心していただけることを嬉しく思う」とコメントを出している。
エクイニクス日本法人代表取締役 兼 北アジア統括の古田敬氏は「世界規模でビジネスパートナーや顧客を求める国内外の企業にとって、クラウドサービスはますます不可欠なものになっている。今日の急速に展開する経済においては、データを確実にリアルタイムで提供できる常時接続の分散型ITインフラストラクチャーがとりわけ重要だ。2020年の東京オリンピック・パラリンピックや政府が推進する『Society 5.0』、そして5Gの到来などを前にして、インターコネクションもまた、シームレスでセキュアな接続を実現する上で非常に重要な役割を担うことになる。エクイニクスはTY11の開設によって、日本におけるクラウド導入やイノベーションを加速していけるものと大いに期待している」とコメントを出している。