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シスコ、Acacia Communications買収の意向を発表

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 シスコとAcacia Communications (以下、Acacia)は7月11日、シスコがAcaciaを買収することで最終合意に達したことを発表した。Acaciaは以前からシスコのサプライヤとして、ウェブスケールの企業やサービスプロバイダ、データセンタ事業者が急速に拡大する消費者のデータ需要に応えるための高速な光インターコネクト技術の開発と製造を行っている。
 契約条件に基づき、シスコはAcaciaの株式を1株当たり70ドルの現金、または完全希薄化ベースで約26億ドルの現金および有価証券で同社を買収することで合意した。シスコとAcaciaの統合に伴って、シスコはAcaciaの既存ならびに新規の顧客をサポートし、ネットワーク機器およびデータセンタ向けのコヒーレント光学技術、デジタル信号処理/フォトニック集積回路モジュール、トランシーバなど、業界をリードする製品を提供していく予定だ。
 今回の買収について、シスコ ネットワーキング セキュリティ事業担当エグゼクティブ バイスプレジデント 兼 ゼネラルマネージャー デビッド・ゲクラー(David Goeckeler)氏は「シスコはソフトウェア、シリコン、光学技術のあらゆる分野にわたってイノベーションを推進し、インテントベース アーキテクチャによってネットワークのあらゆる領域を作り変えようとしてる。マルチクラウド時代になって帯域幅が急激に拡大し、光インターコネクト技術はますます戦略的になっている。Acaciaの買収により、シスコはスイッチング、ルーティング、光ネットワーキングポートフォリオにおける強みをベースに、お客様の最も大きな要求に応えることができる」とコメントを出している。
 シスコはウェブスケールからサービスプロバイダやエンタープライズ、公共までのユーザをサポートするオプティカルシステムポートフォリオ全体を提供して、パフォーマンス、パワー、コスト要件に対応している。Acaciaのテクノロジーによってシスコのオプティカルシステム製品群は一層充実すると同時に、より多くの企業をシャーシベースのシステムからプラグ可能なテクノロジーに移行させ、運用を簡素化し、ネットワークの複雑さの低減を図ることができる。
 Acacia プレジデント兼最高経営責任者(CEO)ラージ・シャンムガラジ(Raj Shanmugaraj)氏は「コヒーレント技術によって光ネットワークは根底から変革され、プラグ可能なコヒーレントオプティクスの導入によって今後も進化し続けていく。統合後もシスコとAcaciaはAcaciaの既存のお客様へのサービスやサポートを継続する。Acaciaのテクノロジーをシスコのネットワーキングポートフォリオに統合することで、世界中でより広範なお客様に対応しながら、コヒーレント技術やプラグ可能なソリューションへの移行を加速していけると確信している」とコメントを出している。
 今回の買収は、慣習的な取引完了条件に従い、規制当局の承認を得た上で、シスコの2020会計年度第2四半期中に完了する見通しだ。買収後、Acaciaの従業員はデビッド・ゲクラー氏が率いるシスコのネットワーキング セキュリティ事業部門でオプティカルシステムおよびオプティックビジネス事業に加わる。