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シスコ、デジタル時代のワイヤレス体験を後押しするWi-Fi 6対応製品を発表

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ビジネスを加速するインテントベースネットワーキングのポートフォリオ拡充

 シスコシステムズは5月30日、デジタル時代に求められるワイヤレスネットワークの革新的なソリューションとして、Wi-Fi 6対応製品を発表した。
 Wi-Fiネットワークの新規格であるWi-Fi 6(802.11ax)は、新時代の没入的(イマーシブ)なワイヤレスエクスペリエンスを実現し、より多くのモノを同時接続する能力を備え、企業ネットワーク(キャンパス)の可能性を再定義する。また、シスコは、クラウド時代に求められるスケールに対応するために開発されたキャンパスコアスイッチを投入し、業界で最も総合的なキャンパスネットワークポートフォリオの拡張も図る。強力な自動化とアナリティクス ソフトウェアを、キャンパス向けの一連の次世代スイッチ、アクセスポイント、コントローラと組み合わせることで、シスコは業界で唯一のエンドツーエンドでワイヤレス主導のアーキテクチャを実現する。
 5G同様、ワイヤレスの技術革新に基づいて策定されたWi-Fi新規格は、世界中の企業や顧客のつながり方、エクスペリエンスを一変させる。Wi-Fi 6は従来世代より大幅に高速であるだけでなく、最大で4倍の容量を備え、大講堂、スタジアム、会議室のような高密度設定でもより効率的に機能する。レイテンシも大幅に短縮され、ほぼリアルタイムのユースケースが可能となる。Wi-Fi 6は接続デバイスのバッテリー消費も少なく、全体としてより予測可能性の高いユーザエクスペリエンスを提供する。

Wi-Fi 6アクセスポイント

 シスコが今回発表した、より優れたワイヤレスエクスペリエンスを企業に提供するための新製品とパートナーシップは次の通り。

Wi-Fi 6アクセスポイント:新しいアクセスポイントは2つのブランドCisco CatalystとCisco Merakiから提供され、Wi-Fi 6規格だけでなく優れた独自の機能を有している。Catalyst 9120はプログラマブルなカスタムチップセットと、業界をリードするアナリティクス機能へのアクセスによって、より賢く、よりセキュアな無線ネットワークを提供する。また、複数のラジオにも対応しており、BLE、Zigbee、Threadをはじめとする複数のIoTプロトコルで通信を行うことができる。

キャンパス ネットワーク向けコア スイッチ:シスコは、あらゆるネットワークの中核基盤として機能するCatalyst 9600コア スイッチ ファミリーの発表によって、デジタル時代に求められるスイッチのレベルを引き上げた。組織がもっともセキュアかつ効率的なワイヤレスエクスペリエンスを提供するには、有線と無線の両方に対応する単一のネットワーキング ファブリックが必要だ。インターネット時代に最も成功したネットワーキング製品であるCatalyst 6000の進化バージョンとして設計されたCatalyst 9600は、次世代のインテントベースの企業ネットワークを支える基盤となる。

Catalyst 9600

新しいエコシステム パートナーシップ:Wi-Fi 6アクセスポイントの発表前に、シスコは新規格に付随するギャップに対応するための相互運用性テストをBroadcom、Intel、Samsungの各社と共に完了した。Samsung、Boingo、GlobalReach Technology、Presidioなどの各社は、今日の無線の最大のペインポイントの1つを解消するためにCisco OpenRoamingプロジェクトに参加するという。シスコは「このプロジェクトの目的は、シームレスかつセキュアなWi-FiとLTEネットワーク間のホッピングと、パブリックWi-Fiのオンボーディングを簡単に実行可能にすることだ」としている。

 シスコ ネットワーキング アンド セキュリティ ビジネス担当EVP兼ゼネラルマネージャーのデビッド・ゲクラー(David Goeckeler)氏は「接続性の機能が向上するたびに、次世代の広範なイノベーションが実現される。5GとWi-Fi 6は、新時代のネットワーク活用方法を示している。開発者たちは、次世代の没入型無線ファースト エクスペリエンスの開発をすでに開始している。数十億個ものモノがネットワークに接続する中で、この増加はITに未曾有の複雑さをもたらす。ITの複雑さを合理化し、CIOが各自のイノベーションに集中できるように、シスコはマルチドメイン ネットワーク アーキテクチャを構築する」とコメントを出している。

ワイヤレス主導、クラウド活用、データ最適化

 Wi-Fi 6と5Gの普及により、企業には大きなビジネスチャンスが生まれると同時に、それを生かすため様々な課題に対応する必要がある。今日では、あらゆる場所がワークプレイスとなる。快適なワイヤレスネットワークへの接続やエクスペリエンスは必然となっており、ダウンタイムに対する忍耐力もなくなっている。
 シスコは、これらの要求に対応するには、ネットワークに次のような機能が不可欠だとしている。

ワイヤレス主導:現在、場所を選ばずに簡単に従業員がコラボレーションし、買い物客が商品を購入し、学生が学習できるモバイル テクノロジーは、経済成長を促進している。卓越したワイヤレスエクスペリエンスを提供するには、IT部門はWi-Fi以外にも目を向けて一貫的なセキュリティ、信頼性、パフォーマンスを提供し、完全なエンドツーエンド エクスペリエンスを実現する必要がある。

クラウド活用:クラウドは、過去にないほどの規模を実現する。シスコは、新しいイノベーションをより迅速に提供するためにクラウドを利用している。クラウドは、IT部門がグローバル インサイトを獲得し、ユーザに影響が生じる前に問題に対応するためのベストプラクティスを提供することで、対応をリアクティブからプロアクティブに変更する上でも役立つ。

データ最適化:ネットワークは無数のデータポイントを提供することで、ユーザ、ユーザ エクスペリエンス、ユーザ脆弱性のコンテキストを提供する。強力なアナリティクス機能を利用することで、ITオペレーションの最適化、より良いビジネス上の意思決定のサポート、革新的セキュリティ ソリューションの提供、より効率的な方法による顧客エンゲージメントに対応する新しいソリューションを実現できる。

 シスコは「この2年間に、シスコはインテントベース ネットワーキングのポートフォリオを構築し、お客様の将来の課題に備えてきた。シスコの新しいアクセスポイントとキャンパスコアスイッチは、インテントベース ネットワーキングに対応すべく設計されており、アクセスポートフォリオの全体を見直し、強化した成果だ」としている。