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NTT-AT、米Wave2Waveおよび伯東との三社間で光配線切替ロボット「ROME」の国内独占販売契約を締結

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 NTTアドバンステクノロジ(以下、NTT-AT)は5月13日、米Wave2Wave(ウェーブツーウェーブ)Solution Corporation(以下、Wave2Wave)社製の光配線切替ロボット「ROME」(Robotic Optical Management Engine)シリーズの販売において、輸入商社の伯東との三社間で日本国内独占販売契約を締結し、販売を開始したと発表した。
 「ROME」シリーズは、ネットワーク開発ラボおよびデータセンタ運用に必要不可欠な機器間の配線切替をロボットによる光ケーブルのつなぎ替えで実現する。これにより、ヒューマンエラーの防止、配線管理の省力化、切替作業時間の短縮など、労働生産性向上およびコスト削減効果に貢献する。

契約締結に至った背景

 現在、ネットワーク開発ラボおよびデータセンタ運用における装置間の光ケーブルの配線作業は、主にパッチパネル上の光コネクタを人手で接続しているため、ヒューマンエラーによる事故の発生や不十分な作業履歴管理によるセキュリティレベルの低下、切替作業の長時間化などの課題がある。
 ROMEシリーズは、人手で行っていた装置間の光ケーブル配線切替をロボットによって実現することで、こうした課題を解決するとともに、エレガントな配線、配線管理の省力化、リモートでの切替変更など、今後、労働人口が減少する中で、光配線ロボットを活用した自動化により労働生産性向上に貢献することが期待される。

配線切り替えのイメージ。

 NTT-ATは「ROMEシリーズの光学特性を確保するための光ケーブルの物理接続、また装置内部で絡むことのない光ケーブルの配線設計等のクロスコネクト方式に着目し、それまで国内唯一のROMEシリーズの輸入商社であった伯東とともに、NTT-ATの得意とするネットワーク市場へのプリセールスを実施したところ、現在抱えている課題の解決や導入効果をご理解いただくなど、大きな反響があった」としている。NTT-ATは昨年度に日本国内において4台を販売済みだという。

ROMEシリーズの概要

 ROMEシリーズのラインナップは、メインとなるLCおよびSCコネクタを収容するROME500(512芯)のほか、主にデータセンタで利用されるMPOコネクタを収容可能なROME64Q、128Q(512芯、1024芯)、大規模収容が可能なROME MAX、MAXT(1600芯、2000芯)と幅広く揃えているので、利用シーンに最適なモデルを選ぶことができる。

Wave2Waveは、データセンタのケーブル配線を中心に取り組む企業として2003年にシリコンバレーに設立され、ロボット光スイッチプラットフォームとしてのROMEを2016年2月にリリースした。ROME 500はコネクティビティオートメーションを可能とし、世界中のデータセンタおよび技術研究所に出荷されている。特許取得済みの技術と10年以上の経験により、データセンタ事業者に貢献している企業だ。

技術のポイント

 ROMEシリーズの主な特徴は以下のとおり。

  • ROMEへの電源供給が断たれても接続性が保持されるため通信路は確保できる
  • 筐体はIP60耐塵型でホコリ等の侵入を防止し、端面清掃が不要
  • 独自設計のコネクタにより、震度階7の耐震性を確保
  • シリーズ1000台以上の実績(米国を中心とした海外での実績)

 これらの特徴により、次世代のネットワーク開発ラボやデータセンタ運用の自動化、省力化推進に貢献できる製品となっている。
 ネットワーク開発ラボにおいて、開発期間の短縮および開発コストを低減するためには、開発テストの自動化やラボ管理による効率的な運用が必要となる。ROMEシリーズをラボに導入し、ラボ管理ツールと組み合わせることで、自動でテスト用のネットワークトポロジを構築することが可能となり、スクリプトによる自動テストの実行を夜間休日に実施することが可能となる。またテスト環境構築の速度向上、機器の利用率向上からリソースの効率化も実現することが可能だ。
 データセンタの運用において、従来はデータセンタ内の配線切替やサービス開通時の回線接続作業のため現地へ作業員を派遣する必要があった。しかし、ROMEシリーズを導入すれば、リモートで配線が可能となることから、遠隔地へ作業員を派遣する必要がなくなるほか、作業員のスケジュール調整、データセンタの入館申請等、配線作業のフロー上にあるタスクをなくすことで担当者を減らすことができ、配線完了までの時間とコストを低減することが可能になる。またデータセンタ内での作業が不要となるため、セキュリティ性の向上と作業時の人、車の移動や工事に伴う様々な環境負荷の低減に寄与する。

 NTT-ATは「お客様の所有する機器の数量や設置状態などに合わせて最適なご提案をする。提案価格はその都度お見積りさせていだく」とし、「ROMEシリーズを国内で独占販売するともに、お客様への導入をサポートし、またユーザの要望に応じた製品とするため、Wave2Wave、伯東と協力して、ROMEシリーズの魅力を向上する」としている。