世界初の200Gbps対応大容量パケットキャプチャ/解析システム「SYNESIS」ポータブル型・200Gモデルを開発【東陽テクニカ】
データセンタ/LAN 無料 東陽テクニカは4月19日、自社開発製品の大容量パケットキャプチャ/解析システム「SYNESIS」シリーズの新製品として、200Gbps対応のポータブル型を開発したと発表した。
「SYNESIS」シリーズでは、主要なイーサネット規格である1G/10G/40G/100GbEに対応したモデルを揃え販売しており、今回発表されたポータブル型・200Gモデルでは、世界で初めて(※1)200Gbpsのトラフィックでも取りこぼすことなく連続して100%キャプチャする性能を実現。これにより、高速大容量ネットワークに発生する通信障害でも、迅速に正確な解析が可能なLANアナライザとなっている。
2019年6月中旬に受注開始、2019年10月の発売予定。同社は「SYNESISのラインアップをより一層強化し、事業の拡大を図っていく」としている。
※1:200ギガビット・フルレートパケットキャプチャ・ポータブル型において。2019年4月9日現在。東陽テクニカ調べ。
開発背景
IoTの普及によるネットワークに接続されるデバイスの増加、ビッグデータ解析の進展、5Gの商用サービス開始などによってネットワークの高速・大容量化が急速に進んでおり、通信事業者は100Gbpsの通信速度を保証した通信サービスの提供を増やしている。そこでは、ファイアウォールやロードバランサなどネットワークを構成するネットワーク機器も通信速度100Gbpsに対応したものを使用し、通信事業者は送信・受信合わせて200Gbpsの通信品質を顧客に保証している。しかし、ネットワークで障害が発生した際200Gbpsに対応できるパケットキャプチャがなく、迅速・正確な障害解析と対策の実施ができないことが課題となっている。
そこで東陽テクニカは、この課題を解決し高速大容量の通信サービスの品質向上に貢献するため、大容量パケットキャプチャ/解析システム「SYNESIS」ポータブル型・200Gモデルを開発した。
製品概要
大容量パケットキャプチャ/解析システム「SYNESIS」ポータブル型・200Gモデルは、ネットワークを流れる最大200Gbpsまでのトラフィックをキャプチャし、その統計やパケットの翻訳を表示する世界初のLANアナライザであり、高速トラフィックの通信障害解析を目的とした大容量パケットキャプチャ/解析システムだ。特許技術(※2)を搭載し、全てのパケットをとりこぼしなく100%かつ連続してキャプチャできることから、通信事業者は200Gbpsのトラフィックが流れるネットワークで障害が発生した場合でも、迅速・正確な障害解析ができ、200Gbpsのトラフィック品質を保証する通信サービスの提供が可能になる。また、障害発生によるネットワークダウンタイムの損害を低減するとともに、企業価値の毀損防止に貢献する。加えて、持ち運び可能なポータブル型で複数地点を移動して使用できるため、データセンタ毎のシステム設置が不要となり、導入コストを削減できる。
※2:キャプチャしたパケットデータを記憶装置に書き込んで保存する際に、ソフトウェアで「並列書き込み」と「ロードバランス」を実行することによって、取得したデータを複数の内部記憶装置へ書き込むプロセスをコントロールし、性能低下の問題を解決した技術。並列書き込みとは、個々の記憶装置毎に書き込み処理を並列化して実行することであり、ロードバランスはある記憶装置で書き込み性能が低下した際に、書き込み性能が高い記憶装置を選んで次のデータを割り振る処理を言う。この書き込み高速化の仕組み(高速データ書き込み技術)の開発によって、自社開発製品の大容量パケットキャプチャ/解析システム「SYNESIS」は、100Gbpsおよび200Gbpsでも全てのパケットを長期間ロスすることなくキャプチャし続けることに世界で初めて成功した。
主な特長
ロスしないパケットキャプチャ力
高速な200Gbpsのトラフィックでもとりこぼしなく、連続して100%確保
持ち運び可能
必要な現場に持ち込んでオンサイト解析が可能な、ポータブル型
高速なパケット抽出力
ディスク書き込み時にインデックス情報を同時に保存、検索時間を大幅に短縮
→蓄積したパケット情報から、必要なデータを高速で抽出・解析可能
東陽テクニカは「“はかる”技術で未来を創る」のスローガンを掲げており、「今後も、最先端のネットワーク解析・監視システムの提供を通じ、通信サービスの高速化と品質の向上に貢献していく」としている。