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XenomatiX社とAGC Automotive Europe社が次世代“自動車用フロントガラス一体型LiDAR”を共同開発【東陽テクニカ】

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 東陽テクニカは4月4日、True-solid-state LiDAR技術のプロバイダであるXenomatiX社とAGCのグループ企業であるAGC Automotive Europe社が、次世代の“自動車用フロントガラス一体型LiDAR”の共同開発を進めていることを発表した。これは、AGC Automotive Europe社の自動車用フロントガラス「Wideye」の背後にXenomatiX社のLiDARセンサを一体化する、ADAS(先進運転支援システム)および自動運転用次世代統合型LiDARセンサの共同開発だという。
 東陽テクニカはXenomatiX社の日本総代理店として、世界で唯一のTrue-solid-state型マルチビーム方式の周辺環境計測システム「XenoLidar」を販売しており、今回の発表に際し「時代の最先端を行くXenomatiX社の高性能・高機能なXenoLidarの販売を強化し、より安全で安心なADASおよび自動運転システムの開発の加速に寄与し、日本の自動車産業に貢献し続けていく」としている。

周辺環境計測システム「XenoLidar」を自動車用フロントガラス「Wideye」の背後に統合した“次世代フロントガラス一体型LiDAR”の写真。

 車内に搭載できるLiDAR は現在上市されてなく、主に車両のルーフに搭載するのが一般的だ。しかし、雨や雪などの悪天候時には、LiDAR から出力されたレーザが雨粒や雪粒に反射し、測定したい対象物との距離を誤検出してしまう。また、LiDAR を車内に搭載しようとする場合は、レーザがフロントガラスで減衰してしまうため、測定したい対象物からの反射光を検出することが困難であるという課題がある。
 XenomatiX 社とAGC Automotive Europe 社の両社はこれらの課題に対応すべく、両社の最先端の製品・技術を組み合わせてADAS および自動運転のための“次世代フロントガラス一体型LiDAR”の開発を進めており、最終段階にある。

 XenomatiX CEOのFilip Geuens 氏は「フロントガラスとリアウィンドウにXenoLidar を統合することは、量産車自動化をより高い次元に進める重要なステップだ。AGC Automotive Europe社がWideyeのフロントガラス一体型LiDAR の共同開発先として、XenomatiX社を選択したことを誇りに思う」とコメントを出している。
 AGC Automotive Europe CEOのJean Marc Meunier氏は「私たちは、赤外線LiDAR 光を透過するフロントガラスWideyeTM を提供できることを嬉しく思う。フロントガラスへのLiDAR 搭載にあたり、センサのクリーニングや保護、効率的な配線など、お客様である自動車メーカー各社からのニーズに取り組んでいく。XenomatiX のコンセプトは当社のWideyeと非常によくマッチしている。我々の技術を結集することで、お客様が安心してLiDARを車に搭載できるようになるだろう」とコメントを出している。

「XenoLidar」は3D点群データと2D 画像の2 つのデータをリアルタイムに取得することにより、、対象物の高精細な判別が可能だ。写真は公道での実測例(左は3D 点群データ、右は2D画像)