世界最小クラスのLPWAモジュール(CAT.M1/NB-IoT対応)を開発【村田製作所】
DX/IoT/AI 無料インフラ設備のIoT化に貢献
村田製作所は4月2日、世界最小クラス(※同社調べ。2019年3月末時点)のLPWA(Low Power Wide Area)モジュールとなる「Type 1WG」「Type 1SS」の2製品を開発したと発表した。
開発の背景
ネットワークインフラの普及によりIoTが進展し、さまざまなモノとモノがつながるようになっている。たとえば、橋梁や高架道、トンネルなどの老朽化するインフラの維持管理、スマートメータ(電気、ガス、水道の遠隔検針)など、機器の小型化や長期間安定的に遠隔モニタリングするニーズが高まっている。
同開発品は村田製作所が小型部品の製造において培った基板設計、実装技術などの微細加工ノウハウを活用し、小型かつ省電力なLPWAモジュールとして開発された。特長は以下の通り。
世界最小クラスのモジュールサイズ
「Type 1WG」は12.2mm×12.0mm×1.6mm(長さ×幅×高さ)、「Type 1SS」は10.6mm×13.2mm×1.8mmの製品サイズにより、一般的な小型モジュール※に対して底面積で50%の小型化を実現した。電子回路における実装面積の大幅な削減を可能とし、高密度回路設計に貢献する。
※18.0mm×16.0mm×2.0mmのLPWAモジュールとの比較
低消費電力
同開発品はAltair Semiconductor社、Mediatek社のモデムチップを採用したことにより低消費電力を実現している。eDRX(extended Discontinuous Reception)/PSM(Power Saving Mode)という技術を用いることにより、待受時の電波受信頻度を下げ、PSMでは限られた時間帯にのみ電波受信を行うことで消費電力を削減している。待機モードで3.5μA以下という超低消費電流を実現しており、電池1個で10年から15年での動作※を可能にする。
※1日に1度センサデータを送信するアプリケーションを想定
高信頼性
村田製作所が持つ通信モジュールの設計・製造のノウハウを活かし、高品質を実現している。また、モジュール内の受動部品が同社の製品で構成されていることも、高い信頼性を支えている。
今後の展開
村田製作所は「本開発品は国内・海外の主要キャリアでの認証取得に取り組んでいる。欧州および国内では一部キャリアでの認証を取得しており、2019年秋頃量産向けサンプル出荷開始を計画している」とし、「現在、国内では大手キャリアによるLPWAサービスが開始しており、スマートメータやIoT家電の実証実験も始まっている。今後も、当社は市場・お客さまのニーズに応じてさまざまな特性を持った製品を開発し、IoT社会の実現に向けて取り組んでいく」としている。